「日本株上昇」
「日立、三菱電機、コマツが大幅高」
「3月鉱工業生産指数が上昇、4月・5月の予想指数も上向き」
4月30日の日本株は上昇しました。休みの間の米国株上昇を受けて、日本株にも買いが先行しました。先週金曜日に決算を発表した日立、三菱電機、コマツがそろって大幅高になるなど、日本企業の業績動向・経営体質の改善努力を評価する動きが高まりました。
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経済産業省は30日、3月の鉱工業生産指数を発表しました。生産指数は前月比+3.8%となりました。株高の一助になったと見られます。
3月の鉱工業生産指数
生産+3.8%
出荷+4.3%
在庫+1.1%
業種別生産指数です。(前月比)
自動車 +9.6%
生産用機械 +11.6%
電子部品・デバイス +9.2%
輸送機械(除く自動車)+18.9%
自動車生産指数が高い伸びを示しました。自動車を除く輸送機械はさらに高い伸びを示しました。「航空機用発動機部品と舶用ディーゼル機関等」が伸びたとのことです。
生産用機械では、半導体製造機械やFPD製造装置が伸びました。
生産予測値も上向きです。4月は+4.1%、5月は+4.4%となりました。自動車を含めた輸送機械工業の生産予測値は、4月+6.1%、5月+10.5%と高い伸びを示しています。国内自動車生産におけるポジティブなデータです。
財務省が17日発表した3月貿易統計では、台数ベースの輸出が前年同月比で減少していました。以下に再掲します。
自動車輸出(台数)
1月395,217台(+16.1%)
2月480,227台(+14.2%)
3月500,976台(-0.7%)
3月の自動車輸出の台数ベースの減少が、自動車業界の業績動向の潮目を示すものなのか、注目されます。しかし、本日発表の鉱工業生産指数において、自動車生産の好調持続が確認されたことで、自動車業界の懸念が薄れたと考えています。
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三菱電機(6503)が大幅高となりました。先週26日に決算を発表しました。25年3月期の増益見通しを公表し、好感する買いが膨らみました。
三菱電機の25年3月期
営業利益4000億円(+22%)
予想1株利益150円(+10%)
部門別営業利益計画(単位 億円)
社会システム 210(+88)
電力システム 170(-14)
防衛・宇宙システム 80(+71)
FAシステム 1100(+211)
自動車機器 270(-43)
ビルシステム 520(-46)
空調・家電 1060(+169)
社会システムは、電鉄等の交通インフラに強みを持ちます。防衛・宇宙システムの営業利益大幅増加は、24年度の防衛・航空関連市場全般を考える上で参考になります。
また、FSシステム事業が大きく伸びます。企業の意欲的な設備投資需要を示します。さらに空調・家電事業の営業利益も大幅増加です。エアコン市場の回復を示します。
4月30日午後3時10分記