「レーザーテック、1-3月期受注急増→大幅高」
「三井物産、1対2株式分割・実質増配へ」
「住友林業が大幅高、史上最高値更新」
5月1日の東京株式市場は、底堅い展開となりました。前日のナスダック総合指数が約2%下落したことから、日経平均も一時300円を超える下げ幅となりました。しかし、好決算銘柄などへの買いも活発に入り、全般は底堅くなりました。
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三井物産は1日正午、24年3月期決算を発表しました。
三井物産の25年3月期計画
純利益9000億円(-15.4%)
1株利益300円
事業別の利益計画を以下に示します。
三井物産の25年3月期利益計画(単位億円)
金属資源 2900(-451)
エネルギー 1400(-1417)
機械・インフラ 2300(-187)
化学品 700(+308)
鉄鋼製品 250(+138)
生活産業 750(-191)
次世代・機能推進 650(+112)
鉄鉱石を主力とする金属事業、LNG等のエネルギー事業の2事業が、合計で1868億円の減益見通しです。輸入原油価格の前提は1バーレル81ドル、連結原油価格86ドルで、いずれも前期実績に対して5ドルほど低い水準です。
三井物産は6月末割り当てで1対2の株式分割を実施すると発表しました。25年3月期の年間配当金は100円を計画しています。24年3月期は年間配当170円でした。株式分割を考慮すると、25年3月期は前年度に対して2割近い増配となります。
総合商社では、双日も24年3月期決算を発表しました・
双日の25年3月期
純利益1100億円(+9.2%)
1株利益506円(+12%)
年間配当金150円(+15円)
商社の業績動向は、世界経済動向に対する安心感につながりました。
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半導体製造装置メーカーでは、レーザーテック(6920)が大幅高です。半導体フォトマスクの欠陥検査装置に強みを持つ企業として知られています。4月30日に24年6月期1-3月期決算を発表しました。1-3月期の受注高は763億円となりました。前年同期比2.2倍増、10-12月期との比較では2.4倍増です。
レーザーテックの受注高(単位 億円)
1-3 337
4-6 584
7-9 407
10-12 317
24年
1-3 763
1-3月期の受注高が急増したことが好感されました。3月期末の受注残高は3945億円となりました。24年6月期の売上高は1950億円の計画です。
住友林業(1911)が買われ、史上最高値を約3週間ぶりに更新しました。前日に24年12月期1-3月期決算を発表しました。
住友林業の1-3月期
売上高4536億円(+20.5%)
経常利益398億円(+55.4%)
事業別では、「米国住宅事業」の経常利益が337億円(+60.8%)となり、全体の利益の伸びを牽引しました。「米国住宅市況の改善を受け、戸建分譲住宅事業が伸長した」とされています。
米国住宅事業の件数や金額の詳細なデータも以下に紹介します。
住友林業の米国事業(1-3月期)
受注戸数 3,195戸(+502戸、+18.6%)
販売件数 2,605戸(+463戸、+21.6%)
販売金額 1,884億円(+482億円、+34.3%)
(ドル) 12億6900万ドル(+2億1000万ドル +19.8%)
販売単価 7230万円(+680万円、+10.5%)
(ドル) 487000ドル(-7000ドル、-1.5%)
受注・販売件数が20%前後の伸びとなりました。ドル高により円建ての売上高が膨らみました。米国の住宅事業について、ドル建ての単価は前年同期と比べて低下しています。
5月1日午後3時10分記