「テイスト・オブ・ジャズ」は、毎週日曜19:00~19:30で放送中(10月より再放送がなくなり、本放送のみとなります)。番組収録のウラ話はこちらのブログでも紹介されています。
【小西啓一の今日もジャズ日和Vol.699~ラグビーW杯終わる】
10月8日午後10時、愉しみにしていたラグビーワールドカップは終了してしまった。「何を言ってるの、これからが決勝トーナメントで佳境に...」とお叱りの言葉を頂くかも知れないが、これはあくまでもぼく個人のそしてジャパンのワールドカップと言った意味合いなので、お許しあれ。
さて運命の8日のジャパンーアルゼンチン戦。開始直後2、3分辺りでロス・プーマーズ(アルゼンチン)はノーホイッスルトライを決める。動きの良いセンターが果敢にゲインラインを切り、球を繋ぎそのままトライ。もう最悪のスタートでこのままずるずると...大敗パターンかと思いきや、ジャパンは意地を見せる。大東大出身の好調アマタ・ファカタバが、個人技で相手を切り裂きトライを決め、試合は振り出しに...。以降もジャパンはよく頑張って、均衡状態を保ったまま前半を終える。特に嬉しかったのは前半終了直前に、我が早稲田ラグビーの星=スクラムハーフの直人(斎藤直人)が見事にトライを決めたこと。よっしゃと気合も入る。TVのレポーターもアルゼンチンの選手に疲れが見えると報告、これはもしかしたら...と期待はどんどん膨らむ。
しかし事態はそうはうまく廻らない。元々ラグビーという競技は実力差がそのまま出て、余り意外な結果にはならないもの(ただしその下剋上=ジャイアントキリングをジャパンは過去の大会で数回も実現しているだけに、今回も期待大...)それだけに後半に入ると徐々に力の差が出だし、アルゼンチンの力量あるウイング勢にトライを奪われ(一人はハットトリックも実現)、善戦しながらも結果は残念なことに敗戦。これでジャパンのそしてぼく自身のワールドカップもほぼ終わってしまった。ほぼなどと言うのはこれから決勝トーナメントが始まり、本当に面白い試合はこれからなのだからなのだが...。しかし今回は何せ大会がフランスの地で開かれているだけに、試合開始が朝の3時、4時などもかなり多く、観戦することも残念ながらもう終了。これからの週末は結構安らかに眠れそうでもある。
全般に今回のジャパンは、今回実によく健闘した。プレ開催された事前の親善試合は、どれも芳しくない成績。あの山ちゃんこと我らが早稲田ラグビーの至宝=山中選手が最終メンバー選考から外れる(結果は復活したが...)とか、山沢・野口などの有力選手は最初の選考から漏れ議論を呼ぶ等々、決して良いムードでは無かったが、選手たちは本当に頑張ったと思うし、次の参加権利も獲得したのも立派である。しかししかしだ。ジャパンのこれからはかなり悲観的なものである。ジェイミー・ジョセフ監督は今回で退任、その後任は公募で選ぶと言うが、日本人監督誕生などは期待薄だし、そうした人材もほとんど見当たらない。そのうえリーチや堀江、流などと言ったこのところの主力選手は今回で殆ど引退してしまう筈で、次回への期待も余り沸かない。若い有力な選手が、余り見当たらないのである。長田とか下川、福井とか数人はいるのだが...。
更に大きな問題はそのラグビーの基底部となる高校のラグビー部、これが今どんどん消滅していること。鳥取県など数県では参加校が一校のみ...などと言う非常事態も起きているのだが、日本ラグビー協会ではその対策も殆ど取られていないのが実情。由々しき事態なのである。その上バスケなど新興のプロスポーツが伸してきており(バスケなどは10数名でチームが出来てしまうし、試合会場も随所にある...)、それに反しラグビーのリーグワンの観客数も少しも伸びていない等、問題・課題ばかりが目立つ、お先真っ暗なラグビー界。これからどうして行くのか、ラグビーファンも巻き込み真剣に考えて行かなければならない大問題なのである。今年の冬から始まるラグビーのリーグワンには、ワールドカップで活躍した人気選手が大挙して参加、一時は話題を集めるだろうが、何か根本問題を置き去りにして全てが進んでいる感がしてならない。どうするラグビー、昔からのラグビーフリークはいたく悩む。しかし今最も気になるのは、やはり今年の早稲田ラグビー部の動向なのです。
【今週の番組ゲスト:ピアニスト 市川秀男さん
M2「Canzona」
M3「7.08」
M4「Perhelion」