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<スズケンDIアワー> 平成14年2月28日放送内容より スズケン

骨粗鬆症治療薬
リセドロン酸ナトリウム水和物


東京都老人医療センター内分泌科 医長
細井 孝之

リセドロン酸ナトリウム水和物(リセドロネート)の開発過程

 リセドロン酸ナトリウム水和物、以下リセドロネートと呼びますが、この化合物はビスフォスフォネート系の薬物であり、新しい骨粗鬆症の治療薬です。海外では数年前から市販されていますが、わが国でもつい最近製造承認が得られ、ごく近い将来、臨床の場で用いられることでしょう。
 ビスフォスフォネート製剤の基本構造はピロリン酸の2つのリン酸にはさまれた酸素を炭素に置き換えたものです。この炭素にさまざまな側鎖をつけることによっていろいろな作用をもつ薬物が作られてきました。最も単純な構造のビスフォスフォネート製剤はエチドロネートで、第一世代のビスフォスフォネート製剤と言われています。


図

引用文献:ビスフォスフォネートと骨疾患 基礎と臨床/監修:森井 浩世
 訳:篠田 壽 稲葉 雅章/発行所:医歯薬出版株式会社/1996年

 エチドロネートは骨を溶かしていく破骨細胞の活動を押さえる作用をもつため、骨粗鬆症の治療薬として広く用いられていますが、14日間服用して、3ヶ月間休薬するという間欠療法を繰り返す、ユニークな治療方法をとります。その理由は第一世代のビスフォスフォネート製剤が、骨吸収抑制作用とともに、骨基質へのカルシウム沈着を抑制する作用をもっているからです。骨へのカルシウム沈着を抑制せずに骨吸収抑制作用、つまりは骨量増加作用だけを引き出すために間欠療法が採用されています。
 その後、側鎖構造の工夫によって、骨吸収抑制作用はもつが、カルシウム沈着抑制作用は持たない化合物が探されてきました。第二世代、第三世代と開発が進み、第三世代にいたって臨床的にも満足の行く薬剤が得られました。この第三世代に属するビスフォスフォネート製剤のひとつがリセドロネートです。また、わが国でも2001年から市販されているアレンドロネートもこのグループに属します。


提供 : 株式会社スズケン


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