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<スズケンDIアワー> 平成14年4月25日放送内容より スズケン

DI実例集


北里大学病院 治験管理室 主任
露崎 浩子

従来の慢性関節リウマチ治療

 本日は慢性関節リウマチ治療における新しい薬剤について紹介させていただきます。慢性関節リウマチ(以下;RAと略します)は、有病率が全人口の約0.6〜0.7%、男女別では1:4〜5と女性に多いとされている、関節滑膜を主病変とする慢性炎症性疾患です。原因はいまだに明らかにされていませんが、遺伝的要因が30%、残り70%は何らかの環境要因が関与していると考えられています。なお、病因として、滑膜細胞の異常増殖と滑膜局所における自己免疫応答の関与が明らかにされています。自己免疫応答には抗原特異的免疫応答と抗原非特異的免疫応答があり、RAの抗原非特異的な炎症はTNFα、IL-1、IL-6などの炎症性サイトカインにより誘導されています。従来のRA治療は、ピラミッド治療といい、患者教育、安静、体操などを基礎療法とし、その次にNSAID、さらに、DMARDs、外科手術、最後に新しい治療法を試みることが主流とされていました。しかし、1989年Wilskeらにより、抗リウマチ薬、ステロイド剤などの多剤併用療法を行いRA活動性を抑え、効果が出たら強いものから中止していく、いわゆるStep Down Bridge方式が提唱されました。抗リウマチ薬にはいくつかの分類がありますが、DMARDs、免疫調節薬、寛解導入薬に対し、抗リウマチ薬と呼ぶ傾向があるようです。現在、日本でRAの適応を有する抗リウマチ薬は9種類ですが、既存の抗リウマチ薬は有効率が高いものでも60%程度、効果の3年継続率は30%前後といわれており、より有効性および有用性の高い薬剤の登場が期待されています。
 最近では抗リウマチ薬に加え、RAの要因となっているTNFα、IL-1、IL-6などのサイトカインをターゲットとし、それらを抑える抗体、受容体拮抗体や抑制性サイトカインIL-10を導入する方法など、いわゆる抗サイトカイン療法がトピックスとなっています。
 本日はRA治療に用いられる薬剤の中で、新しい4種類の抗リウマチ薬と抗サイトカイン療法に用いられる抗体および受容体拮抗製剤を中心に解説します。


提供 : 株式会社スズケン


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