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<スズケンDIアワー> 平成14年4月25日放送内容より スズケン

DI実例集


北里大学病院 治験管理室 主任
露崎 浩子

RA治療に用いられる薬剤“シクロスポリン(Ciclosporin)”

 次にシクロスポリンについてお話します。本薬は移植領域、ベーチェット病に対し承認を得ている薬剤ですが、その機序は主としてT細胞(ヘルパーT細胞)によるIL-2等のサイトカイン産生を阻害します。RAにおいては、滑膜に浸潤したTリンパ球によって誘導される滑膜細胞の増殖の活性化に対し、シクロスポリンがTリンパ球の増殖や活性化を抑制することで、抗リウマチ効果を示すことが考えられています。シクロスポリンは体重換算で投与量を調節する必要がありますがRA領域においては欧米では剤型に関わらず上限4mg/kg/dayと設定されています。国内においては、マイクロエマルジョン濃縮製剤がRAに対する適応拡大を目的に治験中です。

RA治療に用いられるモノクローナル抗体製剤“レミケード(Remicade)”と
  “ヒト型化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体”

 レミケードはヒトマウスキメラ型モノクローナル抗体製剤で1999年米国でRAに対し承認を得ました。国内では、本年、クローン病及びベーチェット病に対し、承認を得ていますがRAに対してはMTXで効果が不十分なRA患者を対象とする治験が進行中です。本薬は生体防御や免疫機構に広く関与する炎症性サイトカインのTNFα(腫瘍壊死因子)に結合し、TNFαの産生を抑制することで炎症の悪化を防ぐ効果を有する注射用凍結乾燥製剤です。米国では抗リウマチ薬が不十分な効果を示した症例には10mg/kgで8週毎か、3mg/kgを4週毎の用法用量が推奨されています。
 別にモノクローナル抗体製剤としてヒト型化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体があります。本薬はIL-6とそのレセプターとの結合を阻害することにより、IL-6生物化学的作用発現を抑制することが期待されている、月1回投与の注射用液体製剤です。

RA治療に用いられるその他の薬剤;Etanercept

 最後にエタネルセプトは米国では既にRAに承認を得ているFc蛋白融合製剤ですが国内では治験中の薬剤です。
 ヒトIgG1のFc領域に分子量75kDaのヒト腫瘍壊死因子受容体(TNFR)2分子を遺伝子組換え技術で結合させた融合たんぱく質で、TNFと細胞表面のTNF受容体との結合を阻害することにより抗リウマチ作用を発揮すると考えられ、骨破壊抑制効果も認められています。成人に25mgを週2回皮下投与する注射剤ですが、注射局所および皮膚における発疹、頭痛等が報告されています。
 この他にもモノクローナル抗体製剤やFc融合蛋白製剤等が海外および国内において次々と開発されつつあります。これらの薬剤はきれ味の良い効果を示す一方、薬剤特異的な副作用を有し、中には、重篤な転帰をたどる場合もあります。従って、定期的な臨床検査および生理検査などを実施し、適切なモニタリングを行い、安全性に留意して使用する必要があります。また、反応率も個体間で差があるので、患者にもよく説明し、よく理解を得た上で、使用することが肝要と思われます。


提供 : 株式会社スズケン


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