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<スズケンDIアワー> 平成14年5月9日放送内容より スズケン

ニューキノロン
ガチフロキサシン


長崎大学 第二内科 教授
河野 茂

耐性菌の増加とその治療

 最近、耐性菌が急速に増加してきており、臨床現場においても治療に難渋する症例が多くなってきています。特に市中感染症で最も重要な菌である肺炎球菌の耐性化は深刻な問題です。これらの耐性肺炎球菌は、β-ラクタム系抗菌薬だけでなくマクロライド系抗菌薬にも耐性を示す多剤耐性菌であることが多いため、適切な抗菌薬の選択は一般臨床医にとってやや困難になってきています。
 最近、多剤耐性肺炎球菌に優れた抗菌力を有し、レスピラトリーキノロンと呼ばれるニューキノロン薬が開発され、期待されています。レスピラトリーキノロンの中でも、上市されたばかりのガチフロキサシンは、化学構造上も8位にメトキシ基を付加した画期的な構造であり、グラム陽性菌に対する優れた抗菌活性と高い安全性を有しています。
 今日は、ガチフロキサシンの呼吸器感染症の治療薬としての位置づけを中心にお話したいと考えています。
 呼吸器感染症は臨床医が最も遭遇する病気の一つであり、その診断や治療を適切に行うことは重要です。特に肺炎は致死率が高く危険な疾患であり、適切な抗菌薬の選択が必要になります。
 抗菌薬の進歩により、克服されたかにみえた肺炎はむしろ最近増加傾向にあり、治療が困難な症例も見受けられます。その理由の一つとして、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)、β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などに代表される耐性菌の出現があります。
 一般に、肺炎は市中肺炎および院内肺炎に分けられ、病態や原因菌などに特徴が知られています。市中肺炎とは、一般社会生活を送っている人に見られる肺炎であり、健常人に多いものですが、高齢者あるいは種々の基礎疾患を有する人々にも含まれます。

(図1 構造活性相関)


提供 : 株式会社スズケン


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