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<スズケンDIアワー> 平成14年5月30日放送内容より スズケン

アセトアミノフェン中毒解毒剤
アセチルシステイン


(財)日本中毒情報センター 施設長
黒木 由美子

アセトアミノフェン中毒の解毒剤

 アセチルシステイン内用液17.6%は、平成14年4月11日付けで、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンによる中毒の解毒剤として承認されました。
 本剤の成分である「N-アセチルシステインナトリウム」の20%製剤は、気道粘液溶解剤としてすでに外用で使用されているものです。しかし、アセトアミノフェン中毒に対する適応はなく、これまで適応外使用で、この2ml入り製剤を1回の投与に数十管用いて、アセトアミノフェン中毒に対応してきました。
 今回、「アセトアミノフェン中毒解毒剤」として承認され、内服用の20ml入り製剤が発売される方向で検討が進められています。今後、アセトアミノフェン中毒時に、すばやい対応が行えることが期待されています。

アセトアミノフェンによる中毒症状

 アセトアミノフェンは、近年広く使用されている解熱鎮痛薬であり、一般用医薬品の解熱鎮痛薬や感冒薬の約9割に主薬として配合されています。さらに、タイレノールのようなアセトアミノフェン単剤製品の販売も開始されました。また、医療用医薬品でもジクロフェナクなどの消炎鎮痛剤がインフルエンザ脳炎患者での死亡率や後遺症との関連性で使用を控えるよう通達されたため、アセトアミノフェンの使用頻度はますます高くなっています。
 日本中毒情報センターでは、年間約600件のアセトアミノフェンに係わる誤飲や中毒の問い合わせを受信しています。その約1割が、自殺目的などの大量摂取の問い合わせです。
 アセトアミノフェンは、常用量では副作用が少なく、比較的安全な薬剤として知られている一方、大量に摂取すると重篤な肝障害や腎障害を引き起こし、播種性血管内凝固症候群など、劇症肝炎様の症状をたどり死に至る場合もあることが知られています。
 中毒量は、7.5gあるいは150mg/kg以上の摂取、致死量は、25gあるいは0.2〜1g/kgの摂取といわれています。

(図 アセトアミノフェンの代謝経路)


提供 : 株式会社スズケン


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