 定量噴霧式吸入べクロメタゾン
昭和大学 第一内科 教授
足立 満
吸入ステロイド薬ベクロメタゾンの特徴
気管支喘息は可逆性の気流制限(気道狭窄)により特徴づけられる疾患でありますが、様々な炎症細胞や気道構成細胞が関与する気道炎症が重要な基本的な病態であると考えられております。気道炎症により気道過敏性が惹起され、容易に気道狭窄が起きます。喘息の長期管理では、気道炎症を制御・沈静化することが最大の目標であり、強力な抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬が中心的治療薬として位置づけられております。実際の臨床において吸入ステロイド薬が喘息症状の改善、急性発作の頻度低下、気道過敏性の改善、肺機能の改善および日内変動の抑制に極めて有効であり、発作による入院や喘息死を減少させていることも多くの事実が証明されております。
今日は、吸入ステロイド薬としては最初に臨床応用されたプロピオン酸ベクロメタゾン(beclomethasone dipropionate;BDPと略しますが)についてお話をしたいと思います。
BDPは1964年、英国におきまして開発された合成副腎皮質ステロイド薬であり、局所抗炎症作用が強く、局所使用では全身作用および副腎機能抑制がほとんど見られていない薬物であります。ヒト皮膚血管収縮作用はtriamcinoloneの5倍、dexamethasoneの約63倍を示すといわれております。
現在のBDP吸入製剤は、噴出用ガスにフロン(CFC;クロロフルオルカーボン)を用いた加圧式定量噴霧型吸入器(pMDI)により投与されます。わが国では1978年より導入され、ステロイド薬依存患者を含む臨床治験におけるBDP400μg/日、4週間投与による有効以上は68.6%でありました。この時、BDP400μg/日の抗喘息作用は経口プレドニゾン約7.5mgに相当すると考えられております。
また、CFC-BDPなどの吸入製剤の使用にあたっては、吸入効率の改善・安定化、局所および全身性副作用の軽減のためにボルマティックやインスパイアイースなどの大容量スぺーサーを用いることが重要であります。
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