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<スズケンDIアワー> 平成14年7月25日放送内容より スズケン

第五回日本医薬品情報学研究会総会
学術大会より


昭和大学薬学部 医薬情報科学 教授
戸部 敞

学会へ発展した日本医薬品情報学研究会

 本研究会は、東京薬科大学の山崎先生、北里大学の望月先生を始めとする、多くの先生方のご尽力により平成10年に発足し、今年4月より学会へと発展し活動しております。
 例年、総会・学術大会の会期は1日でありましたが、今年から2日間の日程で開催することとなり、6月29日と30日の2日間、昭和大学の上條講堂で開催し、多くの先生方にお集まりいただきました。
 毎回、医薬品情報に関する特別講演、シンポジウム、一般研究発表を行ってまいりました。

「小児アレルギー疾患の薬物療法と許認可のディスクレパンシー」〜特別講演から〜

 特別講演は「小児アレルギー疾患の薬物療法と許認可のディスクレパンシー」と題しまして、昭和大学医学部小児科の飯倉洋治教授に、ご講演いただきました。
 医療品の適応外使用は医療現場では常に問題となっておりますが、特に小児に関しましては、適応が添付文書に記載されているものはほとんど無く、現場の医師にその判断が任されているのが現状だと思われます。
 近年、開発される医薬品は切れ味が鋭いものが多く、そのような切れ味の鋭い医薬品の使用に当たっては、より詳細な医薬品情報が必要とされてきています。しかし、新しく認可を受けた医薬品も従来どおりの治験を経てきていることには変わりはありません。従いまして、これらの新規開発医薬品も成人の情報を頼りに小児科領域では使用されているのが実情です。
 小児治験の必要性が叫ばれていますが、まだまだ解決しなければならない問題が山積みとなっております。このような状況下で薬剤師が小児科領域で取り扱う医薬品情報について、臨床医の立場からお話しいただきました。
 ご講演の中で、飯倉先生は、DSCGが登場した1970年代に、今では製品化されているDSCGの点眼薬が当時は無く、先生ご自身でDSCGの点眼薬をお作りになり、治療に使われたとのことです。また、現在でもDSCGの軟膏をお作りになり、日常の診療にお使いだそうです。また、重症喘息発作時の治療に使われるイソプレテノールは保険ではdlタイプが認められていますが、実際にはlタイプの方が副作用が少なく、飯倉先生は多くの患者さんをlタイプでコントロールされてきた実績がおありだそうです。
 更に、新生児の無呼吸発作時に必ずといっていいほど用いられるテオフィリンが認可されていないなどの問題があります。
 今後の治療薬開発は、認可と見直しを頻繁に行い、新しいデータでの申請をしやすくする対応も重要と述べられました。ことに新生児医療に対する新薬開発に、政府の特別な対応が無い限り、矛盾のままで進み、臨床医は一抹の不安を抱えながら、医療を行うことになるともお話しされていました。医療に携わる者にとっての大きな課題であります。


提供 : 株式会社スズケン


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