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<スズケンDIアワー> 平成14年7月25日放送内容より スズケン

第五回日本医薬品情報学研究会総会
学術大会より


昭和大学薬学部 医薬情報科学 教授
戸部 敞

一般研究発表について

 一般研究発表は16演題の発表がありました。
 北は北海道、南は沖縄からの演題発表があり、中でも興味深いものとして、「禁煙教育に関わる薬剤師の育成を目的とした実習」、「スポーツにおける医薬品適正使用への取り組みアンチ・ドーピングホットラインを開設して」、「市中肺炎の入院治療における薬剤経済学的評価」、「製薬企業から提供される安全性情報の現状と課題」など、ただ薬に関する情報というだけではなく、社会のニーズを反映した演題が例年より多く見受けられました。

JASDI-NET主催討論会の並行開催

 特別講演、シンポジウム、一般発表の他に、今回は初の試みとして、「薬価引き下げに賛成か? 反対か?」と題した討論会をJASDI-NETの主催で並行に開催いたしました。JASDI-NETとは、日本医薬品情報学会(Japanese Society Drug Informatics)の略で、医薬品情報学会に所属する、若い人が中心となって、医薬品情報の勉強会を精力的に行っているグループです。
 今回の討論会の目的は、薬価問題を検討し、行政などに働きかけたりすることが目的ではなく、薬剤師が一つのテーマについて、ディベートを行うことにより、プレゼンテーションスキルを養うことが目的であり、医薬品情報を担う薬剤師が的確な情報を収集し、加工しそれらを提供する時の、プレゼンテーション能力の育成方法の一つとして、ディベートによるプレゼンテーションを試みました。
 討論会の前に、国際医療福祉大学の高橋先生に「薬価と病院経営と医療経済を考える」と題した基調講演をしていただきました。薬価基準制度の歴史からお話しくださり、薬の価格のあり方だけを見るのではなく、医学教育、薬剤師教育、臨床薬学、医薬品使用ガイドラインなどを総合的に見ること、また、病院経営の中味や国民医療費というマクロからも総合的に見ることが必要である。更に、今の診療報酬制度はこれでいいのか? と問われました。最後に、「医療は、薬価は、誰のために存在するのか」を考える必要があると結ばれました。基調講演終了後、JASDI-NETのメンバーが2つのグループに分かれ、「薬価引き下げに賛成か? 反対か?」という題で活発な討論を行いました。
 社会的に問題となっているテーマのためか、メイン会場よりも多くの人が集まり、熱気に満ちた討論がなされました。
 以上、今年の日本医薬品情報学研究会総会・学術大会からの話題をご紹介いたしました。
 来年は信州大学医学部附属病院薬剤部長の大森先生が、本学会を6月にご担当されることになっております。


提供 : 株式会社スズケン


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