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<スズケンDIアワー> 平成14年8月15日放送内容より スズケン

ヒスタミン拮抗薬
ロラタジン


獨協医科大学 耳鼻咽喉科・気管食道科 教授
馬場 廣太郎

ロラタジンの特徴

 ロラタジンに話を戻しますと、持続性、選択性、非鎮静性に優れたヒスタミンH1受容体拮抗薬ということができます。第2世代抗ヒスタミン薬の中でも、新しく開発されるものほど、この傾向が強いようであります。まず持続性についてでありますが、1回の服用でどれだけ効果が維持できるかによって、1日の服用回数が違ってきます。いくつかの第2世代抗ヒスタミン薬と同じように、ロラタジンでも1日1回の服用でよいため、コンプライアンスの向上に役立つものと考えられます。選択性はヒスタミンH1受容体のみに選択的に拮抗する作用をもつことで、抗コリン作用がない利点として、緑内障や前立腺肥大による下部尿路狭窄を合併する可能性の高い高齢者に対しても投与が可能でありますし、口渇という副作用もほとんどなくなりました。
 注目されるのは、非鎮静性でありましょう。中枢神経抑制作用による眠気がプラセボと同等で有意差がありません。したがって、自動車運転等、危険を伴う機械作業への注意事項がありません。第2世代抗ヒスタミン薬では、フェキソフェナジンとロラタジンのみであります。自動車運転操作能力に及ぼす影響をプラセボとクロスオーバー法で比較検討しておりますが、プラセボ群と有意差を認めないという結果が出されています。また、アメリカの連邦航空局では、医師の証明さえあればパイロットが服用して飛行機を操縦してもよいという許可を出しております。
 肝心の臨床効果について申し上げます。通年性アレルギー性鼻炎を対象にして、多施設共同、無作為、二重盲検試験によって、有用性のエビデンスが得られています。すなわち、フマル酸ケトチフェンに対する非劣性の検証と、プラセボに対する優越性の検証が同時に行われております。プラセボに対しては、3日目から有意に症状を抑制しており、効果の発現が早いことを証明しました。
 また、海外での花粉症を対象とした試験では、投与1日目でプラセボ群と比較して有意に症状を改善したと報告がされています。フマル酸ケトチフェン群との非劣性検証では、全般改善度などは同等の成績でありましたが、鼻閉については投与1週間後に有意に優れた効果を示しております。

(図:「アレルギー性鼻炎(通年性)に対する効果、全般改善度」を挿入)

 第2世代抗ヒスタミン薬の特徴は、第1世代のものに比べて、中枢鎮静作用や抗コリン作用など副作用が少ない、全般改善率はややよい、鼻閉に対する効果がよい、持続性がよい、連用による改善度が上昇する、などとされていますが、まさにこれらの特徴を備えた薬剤であろうと思われます。
 ロラタジンの発売によりまして、世界での第2世代抗ヒスタミン薬の主力商品が日本でも出揃うことになります。すなわち、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジンであります。薬剤選択の幅が広がったわけでありますし、医師自身が効果ばかりでなく、副作用、利便性などを検証しながら、患者さんに最も適した薬剤を選んで投与する時代に入ったものと考えております。


提供 : 株式会社スズケン


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