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<スズケンDIアワー> 平成14年8月22日放送内容より スズケン

手術時の頻脈不整脈
塩酸ランジオロールβブロッカー


国立循環器病センター 手術部長
畔 政和

手術時の頻脈性不整脈に対する薬剤の現状

 新しいβ遮断薬塩酸ランジオロールは、手術時の頻脈性不整脈に有効な超短時間作用性のβ遮断薬であります。β遮断薬としては、1950年代後半に英国で開発が進められ、我が国では1966年に発売されたプロプラノロールが経口薬、注射薬とも広く使われてまいりました。手術時に使われます注射薬のプロプラノロールは、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症 、ファロー四徴症のアノシックスペルや発作性頻脈、異常高血圧症などの術中管理に威力を発揮しています。しかし、作用時間が2時間〜14時間と長いため、調節性に乏しくまた喘息発作を生じるためβ1選択性、つまり心選択性のあるもので作用時間が比較的短いβ遮断薬が求められてきました。
 現在までピンドロール、カルテオロール、アテノロール、メトプロロール、アセプトロールなどが次々と発売されましたが、作用時間がさほど変わらないため作用が確かであるプロプラノロールが、世界には信頼されβ遮断薬ではならない病態のときに使用されてきました。しかし、投与量が多すぎると心機能の抑制が強くなり、投与後にカテゴラミンを投与しなければならない事態になるなど、熟練した麻酔科医でなければ使用することが敬遠されてきました。
 そのような中、海外では1987年デュポン社から超短時間作用性のβ遮断薬エスゴロールが発売され、アメリカ、フランス、ドイツ、カナダなど主外国で広く使用されています。しかし、本邦では未だ発売されずに15年が経過しています。ちなみに血中半減期でみますと、プロプラノロールが3時間〜5時間、ピンドロール3時間〜4時間、アテノロールが5時間〜8時間で、エスゴロールが9分、塩酸ランジオロールが4分ですから後者二つの薬剤が超短時間作用性と言われる所以であります。


提供 : 株式会社スズケン


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