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<スズケンDIアワー> 平成14年8月29日放送内容より スズケン

クリニカルファーマシーシンポジウム


千葉大学 薬剤部長
北田 光一

よりよい医療への貢献

 去る7月6日(土)、7日(日)の両日に渡って、千葉県文化会館において開催された医療薬学フォーラム2002/第10回クリニカルファーマシーシンポジウムの内容の概略をご紹介します。
 今回のテーマは“よりよい医療への貢献”でした。ミクロ的には、各医療機関における医療チームの一員としての貢献、また、マクロ的には医療人としての地域医療における貢献であり、より質の高い薬物治療の提供に如何に薬剤師として貢献するかについて考えてみることでした。
 チーム医療における薬剤師業務の実践に関する教育講演は、小茂田先生による「チーム医療における薬剤師の役割」でありました。先生は、早くから病棟業務展開のために、薬剤業務の合理化に取り組み、特に、注射剤の個別セットを合理的・効率的に行うために、独自に注射個別セットシステムを構築され、薬剤管理指導業務の拡大を図ってこられました。その経緯を紹介され、患者が入院してから退院するまでの過程における薬剤師としての関わりを通じて、実践されてきたチーム医療における薬剤師業務について講演されました。チーム医療における薬剤師の役割は、病棟での活動時間と情報の共有化を図ることにより実感できるものであると結論されました。

特別講演から

 特別講演1は平井先生による「電子カルテを中核とした新たな病診薬連携ネットワークの構築と展開」というご講演でありました。21世紀に入って、医療の在り方が大きく変わろうとしています。すなわち医療が治療に限定されたものではなくなり、生活・習慣病の発症の予防と進展・重症化の防止への転換、各医療機関の役割分担を明確にした上で医療連携の推進、遺伝子解析に基づく処方設計に代表される個の医療への転換などであります。本講演では、東金病院が中核病院となり、医師会・薬剤師会とともに、医療機関完結型の医療から地域完結型医療提供体制を確立するために行っているネットワーク構築と今後の展望についてお話をいただきました。情報技術を活用したネットワーク基盤整備は国策として展開されている事業ですが、システムの成否には、医療情報ネットワークの構築・整備と同等あるいはそれ以上に不可欠であるのがヒューマンネットワークであるということを強調されました。

 特別講演2は、山本先生による「医薬品の開発及び適正使用において医療薬学に期待されるもの:行政の立場から」というご講演でした。医薬品の臨床試験、審査、市販後の安全性確保のための体制についての行政の取り組みを解説された後、医療薬学は臨床関連の広範な領域を含む分野であることから、医薬品の開発、市販前の審査、市販後の情報収集や安全管理における医療薬学への期待は大きいことを述べられました。特別講演3は、井藤先生によるご講演でした。生活習慣病とその成り立ち、生活習慣病における薬物療法の位置づけなどについてご講演されました。生活習慣病の医療では医師、看護師、薬剤師、運動療法士、心理療法士などによるチーム医療が重要であり、定期的な意見交換や勉強会を介して、スタッフ間の意志の疎通、情報の共有化が必要であることを強調され、薬剤師には薬剤に関する説明と指導、コンプライアンスを保つための指導に期待が大きいことを述べられました。


提供 : 株式会社スズケン


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