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<スズケンDIアワー> 平成14年9月5日放送内容より スズケン

骨粗鬆症治療
エストラジオール貼付薬


横浜市立大学 名誉教授
水口 弘司

骨粗鬆症治療の動向とエストロゲン薬

 閉経後骨粗鬆症の治療薬としては現在、ビタミンD、カルシトニン、ビスフォスフォネートなど多数の製剤がありますが、これらは選択的に骨代謝に作用するものであり、副作用は比較的少なく、高齢者の治療にも適したものであります。また現在、世界各国で使われている薬剤はさまざまでありますが、我が国では従来から欧米と比較し、エストロゲン薬の使用が極めて少なく、ビタミンDが比較的多く使われてきました。一般的にエストロゲン薬は、これらの製剤と比較し安価ではありますが、性器出血、帯下増加、乳房緊満などの副作用があるため、高齢者の治療よりは、むしろ比較的若年の閉経後女性に適した薬剤であります。また、エストロゲン薬は更年期障害の改善と、骨量増加作用がありますが、これ以外にもアルツハイマー型痴呆、変形性関節症の予防など、多くの副効用があることも明らかになり、欧米ではエストロゲン薬が、閉経後の女性のQOL改善目的で広く使われております。閉経後骨粗鬆症の第一の原因はエストロゲン欠乏でありますので、早期治療には先ずエストロゲン製剤が選択されるべきであろうと考えられます。
 この度、天然型エストロゲンの貼付薬が骨粗鬆症の治療薬として開発されましたので、これについて述べたいと思います。本剤は、17β-エストラジオールを含む経皮吸収薬でありますが、最初1995年にエストラダームTTSとして開発され、更年期障害の治療に使われてきました。皮膚から直接吸収される仕組みになっておりますので、肝臓での初回通過効果を受けずに、エストラジオールの至適血中濃度を維持できる製剤であります。しかし、エタノールを含む基剤が使われており、皮膚刺激性のあることが指摘されました。そこで、単層の膏体中にエタノールを使用しないで溶解したモノリス型経皮吸収剤を開発し、このたび骨粗鬆症治療の適応が追加承認されたわけであります。

(図1:「エストラダームM構造」)


提供 : 株式会社スズケン


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