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<スズケンDIアワー> 平成14年10月3日放送内容より スズケン

難治性尋常性乾癬治療
タカルシトール外用薬


自治医科大学 皮膚科 教授
中川 秀己

活性型D3ビタミン外用薬と乾癬治療

 乾癬は表皮細胞の分化異常と過増殖および炎症細胞の浸潤に特徴づけられる、主に皮膚を炎症の場とする炎症性角化症の代表的な疾患であり、我が国においては15〜20万人の患者さんがいるものと推定されております。この疾患の外用療法において現在、活性型ビタミンD3外用薬が第一選択薬となりつつあります。今回は新しく治療の場に登場する高濃度、すなわち1g中に20μgのタカルシトールを含有するタカルトシトール軟膏を中心に話を進めて参ります。

(資料1:図1「タカルシトールの化学構造式」)

 活性型ビタミンD3外用薬に含まれる活性型ビタミンD3は、かなり早期に不活性化されますので血清カルシウム代謝に関する副作用の危険性を低くした薬剤であると言えます。従来、乾癬の外用治療に用いられてきていたステロイド外用薬と比較し、長期に用いても皮膚の菲薄化などの局所的な副作用、リバウンド現象がなく安全に使用できること、皮疹の寛解が得られた場合、ステロイド外用薬と比較し寛解状態が長く維持できるという特徴があります。しかしながら、ある程度の皮膚刺激症状などの問題点も報告されております。本邦におきましては、乾癬治療に現在使用されているものとして、1g中に2μgのタカルシトールを含有する軟膏、クリーム、ローション、1g中に50μgのカルシポトリオールを含有する軟膏、1g中に25μgのマキサカルシトールを含有する軟膏が用いられております。
 この中でも1g中に2μgのタカルシトールを含有する製剤は、世界に先駆けて開発されましたが、先に挙げたカルシポトリオール軟膏やマキサカルシトール軟膏よりも皮膚の刺激性や血清カルシウム値に及ぼす影響は少ないものの、その効果は前二者と比べ弱く、緩徐であることが唯一の欠点でありました。
 このような背景から、タカルシトールの濃度を高め、従来の2μgのタカルシトール軟膏やstrongまたはvery strongクラスのステロイド外用薬をある期間以上使用しても、十分な効果が得られない難治性の乾癬を対象として高濃度すなわち1g中に20μgのタカルシトールを含有する軟膏の開発が開始されたわけであります。


提供 : 株式会社スズケン


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