→ 番組表はこちら
→ ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成14年11月7日放送内容より スズケン

第12回日本医療薬学会年会


九州大学付属病院 薬剤部 教授
大石 了三

21世紀の医療を担う薬剤師への期待

 次に、シンポジウムについてご紹介したいと思います。シンポジウム・「21世紀の医療を担う薬剤師への期待」は、厚生労働省、病院長、看護師、そして消費者の立場から薬剤師に対する意見、批判、期待を述べていただき、それにどのように応えていかなければいけないかを考えるという趣旨で行われました。
 医師・病院長の立場から、飯塚病院の田中二郎先生は、急速に進みつつある医療分野の構造改革に対応するためには、医療の質の向上と効率化をともに果たすための一層の工夫と努力が必要であり、そのために薬剤師は、調剤、製剤、医薬品情報、在庫管理、服薬指導などの業務に加え、リスクマネジメント、感染対策などにおいても医療チームの中で専門職として積極的に関わっていくことが必要であると述べられました。
 看護師の立場から、九州大学病院の原岡直美副看護部長は、とくに病棟において薬剤師と看護師が連携して業務改善を行い、患者メリットを追求した業務を推進するように期待されました。
 消費者の立場から、全国消費者相談員協会の矢野葉子さんは、最近、病院薬剤師の仕事を見学して、いろいろな素晴らしい仕事に関わっていることが分かり、大変びっくりしたと話されました。しかし、多くの消費者にとっては、病院薬剤師は薬局の窓口で薬を渡す人との認識しかないだろうとも述べられました。患者と接する病院薬剤師業務の実践が、まだまだ不十分であることを感じさせられました。どのように病院薬剤師の仕事をアピールしたらよいか、との質問に対して、矢野さんは患者に見える形で業務を実践し、患者を通して病院薬剤師の仕事への理解を広げていくことが一番であろうと答えられました。
 また原岡副看護部長は、理想的な薬剤師像として、人が好き、コミュニケーションが取れる、元気、病棟に出る、医療制度を理解している、臨床医学を常に勉強している、情報に強い、経営感覚がある薬剤師と述べられました。

医薬品適正使用への薬剤師の関与

 シンポジウムIIの「医薬品適正使用への薬剤師の関与〜有効性の向上と有害作用の軽減」は、薬剤師の関与によってはっきりとした成果を示すということを強調したシンポジウムでした。東北大学の賀来満夫教授による基調講演では、増加する薬剤耐性菌の現状を示され、抗菌薬の選択、使用法の決定、院内感染対策などにもっと薬剤師が関わることが重要であると話されました。
 名古屋大学病院の山村恵子先生は、ワーファリン教室へ薬剤師が関わったことによる成果を、岡山大学の末丸克矢先生は抗てんかん薬のTDMを通しての成果を紹介されました。また九州大学の大戸茂弘助教授は、時間薬理学を応用することにより、薬物の有効性を高め、有害作用を減少できることを実例を挙げて話していただきました。


提供 : 株式会社スズケン


前項へ 1 2 3 次項へ