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<スズケンDIアワー> 平成14年12月26日放送内容より スズケン

AT1拮抗薬
テルミサルタン


東北大学大学院臨床薬学 教授
今井 潤

アンジオテンシンII産生系降圧薬の作用機序

 近年 ヒト心血管系のアンジオテンシンII産生系において、アンジオテンシン変換酵素(ACE)とともに、セリンプロテアーゼの一つであるキマーゼの関与が明らかにされております。レニン・アンジオテンシン系阻害薬のうちACE阻害薬はACE由来アンジオテンシンII産生を抑制するものの、キマーゼ由来アンジオテンシンIIの産生は抑制し得ません。
 一方、選択的アンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体拮抗薬は受容体レベルでアンジオテンシンIIの作用を抑制するため、ACE由来アンジオテンシンIIとともにキマーゼ由来アンジオテンシンIIの作用も抑制し得ます。また結果的に、濃度が上昇したアンジオテンシンIIによって、AT1受容体の作用に拮抗するとされるアンジオテンシンIIタイプ2(AT2)受容体に対する刺激が増強されます。これは降圧、臓器障害進展阻止の方向に働くと考えられています。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はACE阻害薬服用時に見られる空咳や血管性浮腫といった副作用が少なく、優れた降圧効果および臓器保護効果をもたらし、臨床における使用頻度も増加しております。

(資料1:「AII受容体拮抗薬及びACE阻害薬の効果と作用機序」)

 わが国ではこれまでにロサルタン、カンデサルタン、バルサルタンに加えて平成14年10月にテルミサルタンの販売が新たに承認されたほか、現在数種のアンジオテンシンII受容体拮抗薬の臨床試験が進行中です。


提供 : 株式会社スズケン


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