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<スズケンDIアワー> 平成15年1月9日放送内容より スズケン

腸管糞線虫駆虫薬
イベルメクチン


琉球大学 第一内科
平田 哲生

糞線虫症治療法の確立をめざして

 今後は、イベルメクチンが市販され、糞線虫症の治療はより安全に確実に行えるようになります。しかし、HTLV-1抗体陽性者では通常の治療では3%程度が駆虫に失敗するため、今後は難治例の治療法の確立に関する研究が必要であると思われます。現在当教室では再発例に対しイベルメクチン200μgを4回投与し、その有用性を検討中ですが、一定の効果をあげています。また、播種性糞線虫症に対しては、これまでは血中移行率のよいチアベンダゾールが体内移行中の糞線虫幼虫にも効果があるとされており、主に使用されてきました。一方、イベルメクチンは血中移行は不良ですが、オンコセルカ症、疥癬症などの皮膚寄生虫症に有効なことにより、糞線虫症でも流血中の幼虫にもある程度効果があると思われます。これに関しても現在検討中ですが良好な成績を得ております。
 このようにイベルメクチンは優れた薬剤ですが、当然、糞線虫症と診断しないと使用できません。衛生環境が整備されているわが国では、下痢症をみた場合でも原虫を含む寄生虫検査は軽視されており、重篤な状態に致って初めて診断される場合が多くなっています。免疫不全患者における頑固な下痢や沖縄県南西諸島在住者の下痢症をみた場合には糞線虫症を含む寄生虫疾患も念頭におき診療を行うように心がけることが大切です。


提供 : 株式会社スズケン


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