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<スズケンDIアワー> 平成15年1月16日放送内容より スズケン

膀胱癌膀注用BCGコンノート株製剤


筑波大学 泌尿器科 教授
赤座 英之

膀胱内注入療法とコンノート株

 コンノート株でございますが、先ほど少し申し上げました、パスツール研究所から出ている訳ですが、歴史を見てみますと、1937年カナダのモントリオール大学のアーマンド フラッピア教授にパスツール研究所から譲渡されたのが、初めてだと聞いています。そして、48年にアーマンド フラッピア教授からコンノート研究所に譲渡されております。それ以来、この菌株がコンノート株と呼ばれるようになっております。このコンノート株が、初めて膀胱内注入療法用として承認されたのは、1986年にドイツにおいてであり、現在では世界52カ国で承認されているということです。日本では、PMCJ9という名前で開発が行われましたけれども、一般名としてはイムシストということで世界中に行き渡っていると思います。
 北米(カナダ・アメリカ)では1990年に承認されております。南米でもドミニカ・アルゼンチン・ペルー・ボリビアなどほとんどすべての国で1992年から2001年の間に承認されております。アジアを見てみますと、例えばシンガポールは1991年。そして、ニュージーランドは92年、台湾92年、そして中国でも99年にはすでに承認されております。日本で初めて輸入許可がおりたのは、02年10月8日で日本が一番遅れて認可されたということになります。西欧では、ほとんどの国ですでに使われております。チェコ・スロバキア・ブルガリアなど東欧でもすでに98年頃から使われております。おそらく、BCGではこのコンノート株が、世界で一番広く行き渡っているのではないかと思います。
 このコンノート株の開発について少し述べさせていただきますけれども、94年7月にすでに厚生省からこの表在性膀胱癌(CIS)を含めまして、希少疾患用薬品に指定されております。いわゆるオーファンドラッグとして研究開発が始められたという経緯でございまして、ようやく昨年(2002年)に承認がおりたということになります。

国内における臨床試験の結果と留意点

 日本での、国内臨床試験の概略を少し話させて頂きます。PMCJ9という名前で臨床研究がはじまりましたけれども、実はこれは第I〜II相試験、それから後期第II相試験の二つの臨床試験から成り立っております。第I相試験は、オーファンドラッグの認可がおりてからすぐの1994年から、97年の3月までの間に行われまして、再発または多発のTaT1(表在性膀胱癌)、あるいはCIS(膀胱上皮内癌)に対して行われました。全国11施設の協力を得まして、40.5ml・81ml・121mlというところで試験が行われました。この結果、81mlが最も妥当であると(世界で使用されている量と全く同じ)いうことで後期第II相試験に入りました。少し研究機関を増やして、全国18施設ということになっております。97年の10月から2000年の3月までに行われました。
 腫瘍が完全に消える率がTaT1では63.5%、そして膀胱上皮内癌では77.8%と目覚ましい効果が出ております。PR以上を含めますと TaT1で84.6%、CISでは77.8%と、一般の抗癌剤では考えられないような目覚ましい効果が出ていると言うことになります。

(Table1:Combined result of Phase・−IIand Late phaseIIstudy Tumor responses in over all patients )

 その結果、81mlが日本の患者にとっても、やはり推奨投与量であろうということで認可がなされました。もちろん、みなさんご存知のようにこのBCGの膀胱内注入治療法は、非常に副作用が強く、この臨床開発試験におきましても、例えば膀胱刺激症状は80%くらいの患者に出ております。そして全身症状である、発熱、食欲不振、関節痛などもかなり高率に出ておりまして、例えば間質性肺炎と考えられたものが1例、93例の全治験症例数に対して1例の間質性肺炎も認められております。

(Tabel2:Combined result of Phase・−IIand Late phaseIIstudy Adverse drug reactions In over all patients)

 このように膀胱内注入療法(BCG)は非常に効きますが、副作用も非常に強いことが問題でして、使い方やその後の患者のフォローアップには、専門医による慎重な経過観察が必要であると言うことは言うまでもございません。


提供 : 株式会社スズケン


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