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<スズケンDIアワー> 平成15年1月30日放送内容より スズケン

ニューキノロン系抗菌薬
プルリフロキサシンの概要


小田切呼吸器科クリニック 院長
横浜市立大学第一内科 客員教授
小田切 繁樹

外来感染症とニューキノロン薬

 本日は、新しいニューキノロン薬(以下、NQ)プルリフロキサンンの概要について、話をさせていただきます。
 本薬は、新規な経口キノロン合成抗菌薬で、7位のピペラジン環にオキソジオキソレニルメチル基を結合して吸収性を高め、吸収後にこのオキソジオキソレニルメチル基が離脱し、活性本体として体内に分布して抗菌活性を示すプロドラッグ型の薬剤です。昨年(02年)10月に当局の承認をえて、12月上旬に発売に至りました。本薬は、我が国における経口NQとしては11番目のものです。
 さて、本薬の臨床における位置づけに先立ち、現在、経口NQの外来感染症に対する一般的な位置づけと、抗菌薬の系別からみた用法について、簡単に述べさせて頂きます。
 経口NQは、広域抗菌スペクトル、強い抗菌活性と優れた体内動態から、今や、中等症以下の外来感染症に対して広く使用されるのみならず、要入院症例の一部をも外来治療に置き換えるまでに拡大使用され、まさに外来診療の変革とも言える程に急成長しております。主な対象疾患は、呼吸器感染症(以下、RTI)、尿路感染症、腸管感染症などですが、特にRTIに対しては、抜群の気道移行性が相俟って、数ある優れた抗菌薬の中で最も多用されていると言っても過言ではありません。
 用法について申しますと、殺菌作用を有する抗菌薬は、時間依存性の殺菌作用を示すものと、濃度依存性の殺菌作用を示すものに分けられます。前者は、β-ラクタム系であり、後者はNQとアミノ配糖体です。時間依存性薬では、一定の血中濃度を越えると、それ以上いくら血中濃度を上げても殺菌作用は増強されず、殺菌作用の増強にはMIC値以上の血中濃度を維持する時間(Time above MIC)の増加が必要となります。これに対して、NQなどの濃度依存薬では、短時間に濃度依存的な殺菌作用を示すので、血中濃度を上昇させることが必要となります。従って、β-ラクタム薬では1日の投与回数を多くすることに対し、NQなどでは1回に安全域内の最大用量を投与して投与間隔をあけることが、抗菌薬の系別特徴に基づいた合理的な用法と言えるわけです。


提供 : 株式会社スズケン


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