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<スズケンDIアワー> 平成15年2月6日放送内容より スズケン

話題の新薬2002(3)


獨協医科大学 名誉学長
国際医療福祉大学 参与
原田 尚

 今年度(2002年度)も大変たくさんの新薬が薬価収載され、すでに2回にわたってご紹介いたしましたが、本日もいくつかの新薬を紹介し、解説したいと思います。

インドシアニングリーンとフェルカルボトラン

 まず、前回、時間の関係上、その項目だけ触れました診断用の薬剤2品目について、簡単にご説明いたします。

(1)蛍光眼底造影剤インドシアニングリーンについて
 インドシアニングリーン(略称ICG)は皆様、よくご存知のように暗緑青色の色素で、静脈注射いたしますと、血中のタンパクに急速に結合して、選択的に肝臓に取り込まれ、しかも腸管循環や腎排泄がほとんどないという特徴がございます。従来、肝機能検査及び循環機能検査用色素として広く用いられてまいりましたが今回は眼の網膜及び脈絡膜の血管異常の診断に蛍光眼底造影剤として承認されました。
 効能・効果は眼の網膜色素上皮下の血管や出血した際の網脈絡膜血管の診断に有用であります。ICG25mgを蒸留水2mlに溶かし、肘静脈から速やかに静注いたします。禁忌はヨード過敏症の患者であります。副作用は1.8%にみられ、嘔気、嘔吐などであります。なお、重大な副作用としてショック、アナフィラキシー様症状が表われることがありますので、顔面が蒼白になる、発汗、徐脈、血圧低下などの前駆症状が現れた時には十分注意する必要があります。

(資料1:「インドシアニングリーン」構造式)

(2)MRI用肝臓造影剤フェルカルボトランについて
 現在、画像診断上、微細病変のより正確な診断を目指して、臓器特異性の強い造影剤が求められております。この薬はカルボキシデキストランで被覆された超常磁性の酸化鉄製剤でありまして、肝臓のクッパー星細胞に取り込まれて、腫瘍細胞とのコントラストを向上させ、その検出能を高めるのが特徴であります。
 効能・効果はMRIにおける肝腫瘍の局在診断であります。本薬投与後、約10分と早期に造影効果が得られ、8時間ほど効果が持続いたします。局在診断の有効率は肝細胞癌では83.8%、転移性の肝臓癌では91.7%と報告されております。
 用法・用量は体重あたり0.016ml、鉄として0.45mg/kgを静注いたします。最大投与量は1.4mlまでとなっております。禁忌は本薬に対しての過敏症、一般状態の悪い患者、出血例やヘモクロマトーシスの患者等であります。副作用は2.8%にみられ、鼻出血、熱感、倦怠感、頭痛、手のしびれなどであります。さらに、重大な副作用としてはアナフィラキシー様症状、ショックなどがあります。


提供 : 株式会社スズケン


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