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<スズケンDIアワー> 平成15年2月6日放送内容より スズケン

話題の新薬2002(3)


獨協医科大学 名誉学長
国際医療福祉大学 参与
原田 尚

偏頭痛治療薬:臭化水素酸エレトリプタン

 5-HT1B/1D受容体作動型偏頭痛薬、臭化水素酸エレトリプタンについてお話しいたします。
 この薬は頭蓋内血管への高い選択性と5-HTすなわちセロトニン1B/1D受容体への高い親和性とを有し、トリプタン系の偏頭痛薬としては、コハク酸スマトリプタン、ゾルミトリプタンについで、国内で3番目の商品であります。
 効能・効果は偏頭痛で、服用2時間後に頭痛改善効果が現れます。用法・用量は1回、1錠(20mg)を経口投与し、効果が不十分で追加投与する際には2時間以上間隔をあける必要があります。最大使用量は1日2錠までといたします。そして24時間以内の再発抑制効果は20mg錠では10%、40mg錠では18%とされております。使用上の注意としましては、重要な基本的注意として胸痛、胸部圧迫感の際には直ちに中止して、虚血性心疾患の有無を調べる必要があります。まれに重篤な心疾患が現れることがあるので、特に注意いたしましょう。また、虚血性心疾患の可能性のある患者、 WPW症候群、高齢者、脳血管障害の可能性のある患者、癲癇などの患者については慎重に投与する必要があります。
 副作用は28.4%に見られ、めまい、傾眠・眠気、嘔気、口内乾燥などの症状であります。重大な副作用としてはアナフィラキシーショック、およびアナフィラキシー様症状、不整脈、虚血性心疾患、頻脈、癲癇様発作等があります。
 併用禁忌の薬剤としてはエルゴタミン、及びエルゴタミン誘導体を含有する物質(メシル酸エルゴタミン、マレイン酸エルゴタミンなど)、5-HT1B/1D受容体作動薬(コハク酸スマトリプタン、ゾルトリプタンなど)、非プロテアーゼ阻害薬のリトナビルなどがあります。

(資料3:「エレトリプタン」の構造式)

気管支拡張薬:プロピオン酸ベクロメタゾン

 続きまして、気管支拡張薬、プロピオン酸ベクロメタゾンについてお話しいたします。
 1996年以降、環境汚染のためフロンの生産が禁止されたことはご存知の通りであります。本薬はその対策として開発された代替フロンを用いた定量噴霧式吸入ステロイド薬で、オゾン層破壊係数が0であり、粒子は従来のCFC-BDPの約1/3と細かく、従来の半量で同程度の効果が得られるという特徴があります。
 効能・効果は気管支喘息であります。用法・用量は1回100μgを1日2回、口腔内に噴霧吸入し、最大投与量は800μgまでとなっております。副作用は6.6%に見られ、咳、尿糖、嘔気などであります。

(資料4:「ベクロメタゾン」の構造式)

急性肺障害改善薬:シベレスタットNa水和物

 急性の肺障害改善薬シベレスタットNa水和物についてご説明いたします。
 この薬は重症感染症や手術、外傷、熱傷等によって起こる全身性の炎症反応症候群(SIRS)の治療薬として開発されました。SIRSに伴う急性肺障害の発症メカニズムには、炎症性サイトカインによって活性化された好中球が肺に集積して放出する「好中球エラスターゼ」が深く関与すると想定されておりまして、この薬はこれを選択的に阻害する作用を示す初めての医薬品であります。
 効能・効果は全身性の炎症反応症候群SIRSに伴う急性肺障害の改善であります。人工呼吸器からの早期離脱やICUからの早期退出が期待されます。しかし、この薬は本質的な治療薬ではないので、まず原疾患に対する一般的な治療が先決であります。
 用法・用量は1日量4.8mg/kgを250〜500mlの輸液で希釈し、24時間かけて静脈内に持続投与いたします。副作用は16.0%に見られAST,ANT,ALPなど肝機能異常が8.4%に認められました。重大な副作用としては、呼吸困難、白血球減少などがあります。

(資料5:「シベレスタット」の構造式)


提供 : 株式会社スズケン


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