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<スズケンDIアワー> 平成15年2月20日放送内容より スズケン

夜尿症治療薬
酢酸デスモプレシン点鼻スプレー


埼玉県立小児医療センター 院長
赤司 俊二

夜尿症治療と酢酸デスモプレシン

 今回、認可発売される「夜尿症治療薬酢酸デスモプレシン点鼻スプレー」についてお話します。
 夜尿症の中には、今までお話しましたように抗利尿ホルモンの日内リズムの発達が未熟のために、夜間尿量の多いものが約半数近く存在し、欧米では10年以上前よりこうした夜尿症には抗利尿ホルモン薬(酢酸デスモプレシン)投与が有効であることが確認されており、日本でも「酢酸デスモプレシン」の夜尿症への適応、認可が待たれていました。
 点鼻用の酢酸デスモプレシンはすでに中枢性尿崩症を対象に認可、発売されています。今回認可発売される「夜尿症治療薬デスモプレシン点鼻スプレー」は構造、組成とも従来のデスモプレシン製剤と全く同一であり、異なる点は従来の点鼻薬の最小一回噴霧量が2.5μgであるのに対して、本薬の最小一回噴霧量が10μgである点のみであります。
 本薬の対象となる夜尿症は夜間の抗利尿ホルモン分泌増加が不充分で、夜間多尿がみられるいわゆる多尿型、混合型の夜尿症です。
 本薬使用の選択はまず問診、診察、検尿、超音波検査などにより基礎疾患のないことを確認します。次に昼間、夜間の排尿記録を観察し、起床時尿を用いて夜間尿が薄いこと(目安としては起床時尿比重で1022以下、浸透圧で800mOsm/L以下)が参考となります。今回、実施しましたプラセボを対象とした二重盲検比較試験においても、夜間尿が薄い患者に対して、本薬はプラセボに比べて有意に夜尿日数を減少させることが検証されました。

(資料8:「機能的夜尿症の診断」)

 この型の夜尿症への具体的な本薬の投与は、飲水制限等の生活指導で夜尿が改善しない場合に、初回投与量10μgを標準に開始します。6歳以上であれば体重差は殆ど考慮する必要はありません。本薬は半減期が2.5時間と短く、有効血中濃度維持時間も6時間前後であるため、投与は就寝直前に行います。夜尿消失が不充分であれば20μgまで増量します。それでも反応が悪い場合には夜間尿量、起床時尿比重、浸透圧等をみながら投与量を調節しますが、夜間尿量が減り、起床時尿比重ないし浸透圧が上昇しているにもかかわらず夜尿消失がみられない場合には膀胱容量の低下を伴っている頻度が高く、排尿抑制訓練とともに抗コリン剤、三環系抗うつ剤の併用を行います。これらの薬剤の併用でも反応が悪い場合にはむやみに薬剤投与を持続することは行わず、一定の休薬期間を設けて再投与します。

(資料10:「夜尿症の治癒経過」)


提供 : 株式会社スズケン


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