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<スズケンDIアワー> 平成15年3月6日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(2)


日本大学薬学部 薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送以降、薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。これらは昨年(2002年)11月27日に開催された中央社会保険医療協議会の場で報告されました。

カルベジロールの効能追加

 カルベジロールはβ受容体遮断作用を有し、既に本態性高血圧の効能・効果で承認されていますが、今回、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者の虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全の効能が追加されたものです。用量が本態性高血圧の場合と異なるため、新医薬品とされたものです。しかし、薬価については既に収載されているカルベジロール錠10mgとの規格間調整により算定されました。規格間調整とは、既に10mg錠が収載されているので、例えば今回、申請のあった1.25mg錠は10mg錠の含量が8分の1ですから、10mgの薬価の8分の1を求め、これにある計数を乗じて申請品目の薬価とすることです。したがって、含量が半分だからといって薬価も半分というふうにはなっていません。
 ところで、海外の薬価を見てみますと、含量に関わらず、価格が同じということがよくあります。これは、10mgは10mgが必要な人に用いられ、20mgは20mgが必要な人に用いられるということで、治療に必要な価格を同じにしようという考え方のようです。

(資料1:「カルベジロールの薬価算定について」)

テルミサルタンの薬価算定

 テルミサルタンは、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有し、高血圧症を効能・効果としています。アンジオテンシンII受容体拮抗作用を有する薬剤としては国内4番目の薬剤であることから、新規性の乏しい新医薬品として、類似薬効比較方式(II)による算定が行われ、過去6年間に収載された類似薬のうち、最も薬価が低いバルサルタンとの1日薬価合わせとされました。しかし、外国平均価格の0.68倍と4分の3を下回ったために、外国価格調整による引き上げが行われ、結果としてバルサルタンよりも高い薬価となりました。


提供 : 株式会社スズケン


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