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<スズケンDIアワー> 平成15年3月27日放送内容より スズケン

病態シリーズ(20)
糖尿病と血管内皮細胞機能障害


獨協医科大学 内分泌科 助教授
服部 良之

合併症の薬物治療と内皮細胞機能改善

 最近の種々の大規模臨床試験結果から、いくつかの治療手段により内皮機能が改善すること、また、心血管イベントが抑制できることが示されています。高脂血症治療におけるstatinや高血圧治療におけるACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)などで、そうした効果が認められており、糖尿病では、合併する高脂血症、高血圧にはそれらの薬物を投与し積極的に治療を行うことが、血管内皮機能の改善を考えたうえでも重要と考えられます。また、NOSの基質であるL-arginine投与やビタミンE・Cといった抗酸化療法でも同様の効果が期待されますが、糖尿病においては酸化ストレスが亢進しており、糖尿病のコントロールがそれを減少させると考えられることより、血管内皮ストレスに対しても血糖のコントロールが基本となるところであります。
 糖尿病に合併する血管に対するストレスは、実は、糖尿病発症以前、耐糖能異常、あるいはインスリン抵抗性の時点から進行していることも指摘されています。インスリン抵抗性では早期から内皮依存的血管拡張が障害されていると考えられています。よって、糖尿病に合併する大血管合併症を予防するには、糖代謝異常の極めて早期から介入すること、特に内皮機能をいかに保護するかを考慮し、治療を進めてゆく必要があると考えられます。


提供 : 株式会社スズケン


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