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<スズケンDIアワー> 平成15年4月10日放送内容より スズケン

DI実例集(140)
ニフェジピンカプセルの舌下投与の安全性について


北里研究所病院 薬剤部長
厚田 幸一郎

ニフェジピンカプセルの薬物動態

 本日は、DI実例集として「高血圧緊急症に対するニフェジピンカプセル舌下投与の安全性」についてお話致します。
 先日、当院の医薬品情報室に婦人科医師より「ニフェジピン製剤の舌下投与が禁止になったと聞いたが、その詳細を知りたい」という問い合わせがありました。
 ニフェジピンカプセルは、昭和50年(1975年)12月に狭心症治療薬として承認されたジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗軟カプセル薬でカプセルの内容物は粘性の液体という製剤的特徴を有しています。1985年には、本態性高血圧症および腎性高血圧症の効能が追加されました。発売後20年以上にわたって、高血圧緊急症や切迫症に対し、速やかな血圧降下作用を期待して舌下投与として使用されてきました。
 舌下投与とは「カプセルを噛み砕いた後、あるいは内容物をシリンジ等で吸引後、口の中に含むか飲み込ませる方法」です。
 これまでのニフェジピンカプセルの添付文書の用法・用量欄には「さらに速効性を期待する場合には、カプセルを噛み砕いたのち、口中に含むかまたは飲み込ませることもできる」と記載されていました。また、薬物動態の項にも、「噛み砕いて服用した場合、12分後には有効血中濃度に達する」と記載されていました。
 高血圧緊急症とは著しく上昇した血圧を1時間以内に低下させなければならない状態をいい、高血圧性脳症、頭蓋内出血、肺水腫を伴った急性左心不全、解離性大動脈瘤、子癇または妊娠に伴う重症高血圧症、頭部外傷、不安定狭心症および急性心筋梗塞等が含まれます。また高血圧切迫症とは、上昇した血圧を数時間以内に低下させなければならない状態をいい、加速型高血圧や悪性高血圧、術前・術中・術後の重篤な高血圧の状態をいいます。
 このような病態時には、通常非経口薬によって、数分から2時間の間に平均動脈圧を20〜25%ほど低下させ、次いで過度の血圧低下を避けながら2〜6時間以内に収縮期血圧を160mmHg程度までに、拡張期血圧を100mmHg程度まで下げることを目標とします。


提供 : 株式会社スズケン


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