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<スズケンDIアワー> 平成15年4月24日放送内容より スズケン

透析患者の高リン血症治療薬
塩酸セベラマー


信楽園病院 副院長
鈴木 正司

副作用と使用上の留意点

 これまでに国内臨床試験を行って343例に本薬が投与されておりますが、229例(66.8%)に449件の副作用が認められております。いかにも非常に高い副作用率ということができます。しかしその主なものを見てみますと、便秘あるいは便秘増悪131件(38.2%)が最も多く、腹痛58件(16.9%)、腹部膨満50件(14.6%)、吐き気26件(7.6%)、消化不良23件(6.7%)、下痢・軟便17件(5.0%)、嘔吐15件(4.4%)などが主要なものでございます。

(資料5:「臨床成績―第・相比較試験〜便秘発現時期」)

 一言で言いますと、胃腸障害が主体の副作用ということが言えるようであります。他に、ALPの上昇が10件(2.9%)見られております。このような胃腸症状は、特に投与初期に多く見られ、症状が発現したら投与量を減量するか、あるいは休薬、さらに重症なら投与中止を必要とします。初めから消化管の通過障害がある患者では、症状を悪化させる危険がありますので投与は禁忌とされます。さらに本薬は同時に経口投与された併用薬の腸管での吸収を遅らせたり減少させたりする可能性があります。したがって、抗てんかん薬、あるいは抗不整脈薬服用のタイミングを十分に考える必要があります。また、脂溶性のビタミンA,D,E,Kの吸収、葉酸やコレステロールの吸収を阻害する可能性も指摘されております。
 以上をまとめますと、慢性腎不全や透析療法を継続する患者では、高リン血症は避けがたい合併症でありますが、これまでのアルミニウム化合物、カルシウム化合物ではアルミニウム蓄積、高カルシウム血症などの問題がありました。新しい塩酸セベラマーには、アルミニウム、カルシウム化合物のような厄介な問題が生じませんので、活性型ビタミンDによる本来の治療が計画的に容易に実施できるようになる利点がございます。ただし、本薬の特性上、消化管合併症の頻度が多いため、使用禁忌の例があることに配慮することと、使用に際し十分な観察と適切な対応が必要となります。


提供 : 株式会社スズケン


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