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<スズケンDIアワー> 平成15年5月22日放送内容より スズケン

ポリ塩化ビニル製医療用具の使用について


医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構 顧問
中島 新一郎

医療用具から溶出する可塑剤についての厚生労働省からの通達

 厚生労働省はより良い医療行為を患者に提供する上で参考になる重要な情報として、2002年10月17日の通達で以下の7項目について注意喚起をしています。

1)新生児・乳児に使用されるフィーディングチューブについて
  新生児・乳児に使用されるフィーディングチューブですが、これにつきましては
1. 使用対象患者群が感受性が高い集団であると考えられること。
2. 体重が少なく、体重あたりの被爆量が大きくなると想定されること。
3. 脂溶性のミルクなどを流すために大量のDEHPが溶出する可能性があること。
4. 代替製品が存在すること。
以上のことからできるだけ早期にPVC製フィーディングチューブの使用を中止し、代替品の使用に切り替えるべきであるとしています。

2)ヘパリンコーティングチューブについて
  ヘパリンコーティングチューブについては、海外においては全くDEHPが溶出しないとの報告もありますが、国内流通品についての検討結果では完全にDEHPの溶出を防止することが出来ませんが暴露量を低減することが確認されており、DEHP暴露低減の一手段として参考にすべきであるとしています。なお、ヘパリンコートについては生物由来製品でありますが、共有結合タイプとイオン結合タイプが知られており、共有結合タイプの方がイオン結合タイプと比較してよりDEHPの溶出を低減する傾向にあることも報告されております。

3)人工腎臓用血液回路について
  人工腎臓用血液回路については、
1. 時間の体外循環により大量のDEHPに被爆する可能性があること。
2. 繰り返し使用されるものであることから新生児・乳児など感受性が高いと考えられる患者に使用される場合。
ヘパリンコーティングチューブの併用や回路の一部を代替品で置き換えるなど、臨床上治療に支障を生じない範囲での代替品への切り替えを促しています。

4)人工心肺回路及びその他の血液回路について
  人工心肺回路及びその他の血液回路については一時的に大量のDEHPに被爆する可能性があるものの、生涯を通じて反復して被爆する可能性は低いことから代替品の使用に切り替えることが可能な場合には代替品の使用を検討すべきであるとしています。

5)輸液チューブ及び延長チューブについて
  輸液チューブ及び延長チューブについては使用する薬剤に依存してDEHPが溶出することから、特に脂溶性の高い薬剤を使用する場合には代替品の使用に切り替えるべきであるとしています。

6)新生児・乳児および妊婦・授乳婦への適用について
  感受性が高い集団であるとされている新生児・乳児およびこれらの患者集団に影響を与える可能性が高い妊婦・授乳婦への適用については優先的に代替品に切り替えるなどの配慮をすべきであるとしています。

7)血液バッグについて
  最後に血液バッグについてですが、DEHPによる赤血球保護作用が報告されており、現時点では代替品に切り替えなくてはならないものとは考えられませんが、低温で保存することによりDEHPの溶出を抑制することが出来るとの報告もあることから保管温度をさげ、出来るだけ短時間の保存とするように配慮すべきであるとしています。

提供 : 株式会社スズケン


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