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<スズケンDIアワー> 平成15年6月12日放送内容より スズケン

話題の新薬2003(1)


獨協医科大学 名誉学長
国際医療福祉大学 教授
原田 尚

キャンディン系抗真菌薬 ミカファンギンナトリウム

 近年、悪性腫瘍や臓器移植など抵抗力の低下した患者さんに対しての広域抗生物質や副腎皮質ホルモンの汎用、さらには各種留置カテーテルの使用などによって、深在性真菌症の増加と重篤化が見られるようになり、新しい抗菌薬の開発が切に望まれてきました。この薬は、真菌細胞壁の主要構成分のひとつである1、3-β-D-グルカンの生合成を特異的に阻害して抗真菌活性を示す、キャンデイン系の抗真菌薬であります。
 効能・効果は、カンジダ属に対して幅広い抗真菌スペクトルを有し、殺菌的に作用します。また、アスペルギルス属に対しても幅広い抗真菌スペクトルを有し、発芽抑制および菌糸先端部を破壊し、菌糸の伸長を抑制します。従ってこれらによる真菌血症、呼吸器・消化器感染症に有効であります。
 用法・用量は、カンジダ症に対しては、50mgを1日1回、点滴静注。アスペルギルス症に対しては、50〜100mgを1日1回、点滴静注し、症状に応じて最大500mgまで適宜増量いたします。薬剤過敏症の患者には慎重に投与する必要があり、副作用は、17.9%に見られ、静脈炎,関節炎,血管瘤,悪寒,頭痛等であります。

(資料5「ミカファンギンナトリウム」の構造式)

アセトアミノフェンの解毒薬:アセチルシステイン

 そのほか、昨年認可された薬剤で紹介が遅れましたが、やや特殊なものとしてアセチルシステインについてお話します。
 ご存知のようにアセトアミノフェンは、解熱鎮痛剤や感冒薬の約90%に含有され、大量服用時には重篤な肝障害をきたすことが知られています。この薬はその解毒薬として開発されたものであります。
 用法・用量は初回に140mg/kg、次いで4時間後から70mg/kgを4時間毎に17回、総計18回経口投与し、経口が困難な場合は、胃管で投与します。重大な副作用としては、アナフィキラシー様症状、アレルギー症状が見られます。

(資料6「アセチルシステイン」の構造式)

 続きまして腸管糞線虫駆虫薬イベルメクチンについてもお話したいのですが、時間の関係上で次回にさせていただくことといたします。本日は2003年の「話題の新薬」その第一回をお話し申し上げました。


提供 : 株式会社スズケン


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