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<スズケンDIアワー> 平成15年7月10日放送内容より スズケン

大規模災害と医薬品について


浜松医科大学付属病院救急部 講師
吉野 篤人

 今回、大規模災害と医薬品というテーマをいただきました。私は、平成7年1月17日に発生しました阪神淡路大震災において、関東地区の救急医を中心とした医療チームに参加いたしました。その時の経験をもとにお話させていただきます。

阪神淡路大震災時における初期医療対応

 皆様ご存知のように被災地では電話をはじめとして、情報の伝達が困難で、現地では民間救急車に取り付けてあったテレビで全国放送のニュース番組を見て情報収集していた有り様でした。従いまして、私が見聞したことはあくまで一面しか捉えてないかもしれません。そのことについてあらかじめお断りさせていただきます。
 震災直後、テレビなどで多くの方々が亡くなられている、ケガをされているという報道が24時間継続して報道されていました。私も救急医として何かできないものかと考え、以前勤めていた救命センターに連絡をとったところ、ちょうど関東地区の外傷医を中心とした医療チームが救護医療に向かうということでした。1月18日夜に浜名湖サービスエリアでチームに合流いたしましたが、医療チームはチャーターしたマイクロバスタイプの民間救急車や自家用車に分乗して西に向かいました。そして、いったん大阪の救命救急センターに入り、そこで計画の策定が行われました。その時点で予想した医療需要は次の4点です。

(1)救出現場での重傷外傷患者さんの治療と病院への搬送
(2)被災地医療機関の応援
(3)現地病院から被災地外の病院への転移搬送
(4)救護所・避難所での一般診療 

この4つの中で特に(1)の重傷外傷の治療に重点をおいていましたので、準備した医療資機材はそれに合わせたものとなっておりました。救急車の中には滅菌してパックされた開胸、開腹や四肢切断などに対応できる手術セットや乳酸リンゲルを中心とした輸液剤、ショック治療に対する昇圧剤、点滴の抗生物質などの医薬品が積み込まれておりました。しかし、これらの資材はほとんど使うことはありませんでした。


提供 : 株式会社スズケン


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