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<スズケンDIアワー> 平成15年7月31日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(3)


日本大学薬学部 薬事管理学 教授
白神 誠

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明いたします。

カルブロック錠の薬価算定

 初めはカルブロック錠です。成分名はアゼルニジピンです。アゼルニジピンはジヒドロピリジン系のカルシウム拮抗薬で効能効果は高血圧症です。この系統の薬は国内14番目であることから新規性に乏しい新薬として類似薬効比較方式(II)で算定されました。類似薬効比較方式(II)では、まず次の3つの価格を比較します。すなわち、1つ目は過去6年間に薬価基準に収載された類似薬の中で1日薬価が最も低いものの価格。2つ目は過去10年間に薬価基準に収載された類似薬の平均1日薬価。そして3つ目は最も類似していると思われる最類似薬の薬価です。過去6年間の最低1日薬価か過去10年間の平均1日薬価のいずれかが最も低かった場合は、その価格が新薬の薬価となります。
 もし最類似薬の薬価が一番低かった場合は、今度は改めて過去10年間に薬価基準に収載された類似薬の中で1日薬価が最も低いものの価格と、過去15年間に薬価基準に収載された類似薬の平均1日薬価とを比較して低いほうの価格を新薬の薬価とすることになっています。
 アゼルニジピンの場合は、過去10年間の最低1日薬価であるシルニジピンの製剤であるアテレック錠及びシナロング錠の1日薬価に合わされました。

(資料1:「カルブロック錠の算定表」)

フォスブロック錠及びレナジェル錠と類似薬効比較

 次は、フォスブロック錠及びレナジェル錠です。成分名は塩酸セベラマーです。塩酸セベラマーは、透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善に用いられる薬剤です。本薬は非吸収性のカチオン性のポリマーで、消化管内でリン酸を吸収して糞中にリン酸の排出を促進することにより、リンの濃度を低下させる薬剤です。
 薬理作用が高分子による吸着作用であり、化学構造がイオン交換樹脂であるという点から、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム製剤であるケイキサレートを比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。ケイキサレートは効能効果は「急性及び慢性腎不全による高カリウム血症」であり、本薬の効能効果とは異なりますが、薬理作用と化学構造の類似性が重視され比較対照薬とされました。
 なお、類似薬比較方式の比較対照薬としては原則として昭和55年以降承認された新薬のみを対象とすることになっていますが、必要と認められるときは、それ以前に承認された新薬も比較対照薬とされることがあり、今回のケースはそれに当たります。

(資料2「フォスブロック錠及びレナジェル錠の薬価算定表」)


提供 : 株式会社スズケン


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