 ピタバスタチン
千葉大学大学院医学研究院 細胞治療学 教授
齋藤 康
高脂血症治療とスタチン
今日は、高脂血症の治療薬として広く使われているスタチン、その中でも近々日常臨床で使うことができるようになるピタバスタチンについてお話をしたいと思います。

現在、日本で使うことのできるスタチンという薬剤は、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトロバスタチンなどですが、それに加えてピタバスタチンが使えるようになるということであります。スタチンというお薬は、極めて精密に調節されているコレステロール代謝を利用して作用する薬剤であります。血液中のコレステロールの量を規定している最も重要な臓器は肝臓ですが、その肝臓ではコレステロールを作ると同時に血液中のコレステロールが代謝される、その場所でもあります。すなわちコレステロールを合成したり、代謝を促進したりする臓器として中心的な役割をしています。

合成を司るのが、HMG-CoA還元酵素であり、その代謝をさせるのがLDL受容体であります。このHMG-CoA還元酵素とLDL受容体との間には極めて精密なフィードバックメカニズムがあって、すなわちスタチンなどで、このHMG-CoA還元酵素を阻害いたしますとLDL受容体がその活性を増して、取り込みを更新させ、肝臓の中のコレステロールを一定にさせようとする働きがあります。
それを介して血中のLDL、すなわちコレステロールを低下させるというものであります。
このように見てまいりますと、血液中のLDLコレステロール、すなわちコレステロール量をコントロールするためには、このLDL受容体の機能を活性化させることが極めて重要であります。

ピタバスタチンは、このLDL受容体を活性化させることに極めて強力な作用を持っていることがわかっています。すなわち、ある条件下でピタバスタチンを作用させますとHMG-CoA還元酵素を阻害する活性は同じにしても、LDL受容体の発現はほかのスタチンに比べて、より強く発現しているということがわかっています。このような特徴的な作用機序を介して臨床的な観察では、コレステロールの低下量は28%、LDLコレステロールの低下量は40%という、従来に見られなかったような強い低下作用を示すことがわかっています。さらに中性脂肪の低下量も26%、HDL-コレステロールの上昇作用が21%に見られ、脂質代謝を改善する薬として期待されるわけであります。
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