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<スズケンDIアワー> 平成15年9月18日放送内容より スズケン

アルミスティック入り塩酸モルヒネ速効性新液剤


埼玉医科大学包括地域医療部 客員教授
武田 文和

新液剤の特長

 使い捨てのアルミスティックに入った塩酸モルヒネ速効性液剤についてお話しいたします。この新しいモルヒネ液剤の承認適応は「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」です。
 アルミスティック入りモルヒネ液剤には、5mgと10mgの2種類の内服液があります。それぞれ幅2.5cm、長さ11cmないし12.5cmの小型のアルミスティックに分包されており、保存、携帯、服用のいずれにも便利で、水などの飲み物を用意せずに服用することができます。また、アルミスティックは使い捨てです。
 モルヒネの錠剤やカプセルなどの固形製剤の服用がむずかしい患者さんでも容易に内服でき、4時間ごとの定時的服用として使えます。また、モルヒネの適切量への速やかな増減調整に有用であり、モルヒネ製剤とくに徐放性製剤を定期的に服用しているときに必要となるレスキュードーズ(臨時追加服用)にも簡便に使えます。
 従来からモルヒネ水溶液は各病院の薬局が調剤していましたが、薬剤師さんが手間をかけて調剤しても、短期間しか保存できないという欠点がありました。アルミスティック入り塩酸モルヒネ液剤は、この問題を解決しようと、また、患者さんにとっての利便性も考慮して開発されました。この液剤により調剤業務が簡素化し、室温で保存しても、腐敗の心配がありません。患者さんが外出時にポケットなどに入れて持ち運ぶことができ、服用時刻が来たら、簡単に開封し、そのまま服用できるよう設計されています。

WHO方式がん疼痛治療法について

 がんは、死因の第一位であり、毎年、30万人以上の日本人ががんで死亡しています。そのうち70〜80%の患者さんに痛みが起こり、この痛みの80%はいずれかの時期に強い痛みとなり、モルヒネをはじめとする強オピオイド鎮痛薬でないと、痛みを除去することができません。また、がん治療を受けている最中の患者さんの3分の1が痛みに苦しめられています。
 がんの痛みは強い痛みが多く、長期間、間断なく続くことを特徴とします。そのため、患者さんは眠れず、食べられず、考えることもできず、悲惨な日々を過ごすことになります。この痛みを治療することは、臨床医の責務であり、患者さんはこの痛みから解放される権利があります。WHOがWHO方式がん疼痛治療法を公表し、世界全体のがん患者を痛みから解放する運動を展開しているのは、このためであります。
 WHO方式がん疼痛治療法は、今では世界各国でゴールドスタンダードの治療指針として活用され、わが国においても、痛みから解放された患者さんを増加させています。

(資料7:「WHO三段階除痛ラダー」)

 WHO方式治療法は鎮痛薬の安全、かつ合理的な使用による治療法であり、その中で主役を果たす薬は強オピオイドであり、その代表薬ないし基準薬がモルヒネです。非オピオイド鎮痛薬が不十分にしか効果をあげない痛みには、オピオイド投与を直ちに始めるよう推奨しています。


提供 : 株式会社スズケン


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