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<スズケンDIアワー> 平成15年9月25日放送内容より スズケン

結腸・直腸癌に対するレボホリナート・テガフシール・ウラシル療法


国立がんセンター中央病院 内科 医長
白尾 國昭

UFT/LV療法とは

 本日は結腸・直腸癌に対して最近承認されたレボホリナート・テガフール・ウラシル療法(別名UFT/LV療法)についてお話させて頂きます。
 本邦において、大腸癌(結腸・直腸癌)の羅患率およびそれによる死亡数は増加傾向を示しています。死亡の原因は、手術不能な遠隔転移を有する患者さんや、手術後の再発の患者さんに対する治療成績が不良であるためですが、このような患者さんに対して、延命効果が確認されている治療法は現在のところ抗癌薬治療のみです。従来、5FUとLVによる点滴治療が大腸癌の標準的治療法のひとつとして用いられてきましたが、この治療を行った患者さんの生存期間の中央値は1年前後といわれています。最近、この点滴治療と効果が同等で、副作用のより少ない治療薬として、経口薬であるUFT/LV療法が開発され、注目を集めるようになりました。UFTとはテガフールとウラシルという2種の物質が配合された抗悪性腫瘍薬です。テガフールとは5FUのプロドラッグであり、主に肝臓で5FUに変換され、抗腫瘍効果を発揮します。ウラシルはそれ自体薬理作用、毒性をほとんど示さないのですが、テガフールと一緒に投与することにより、テガフールの抗腫瘍効果を上げ、毒性を少なくする作用があります。このUFTは1983年に日本で承認され、一般に広く使用されてきました。今回紹介するUFT/LV療法とはUFTにさらにLVという薬を併用する方法ですが、このLVも古くから抗癌薬の解毒目的で使用されてきた薬剤で、直接の抗腫瘍効果はありません。しかし、UFTと併用することにより、UFTの効果がさらに増強されるという基礎的な研究結果からこの治療法の臨床開発が始まりました。最近、欧米で行われたふたつの大規模な臨床試験によって、UFT/LV療法の有用性が証明されたわけですが、この試験に日本は参加していなかったので、日本人での有用性は不明でした。薬は民族の違いによって、その効果、副作用に差がみられることがあるため、日本人でもその有用性を示す必要があります。本日は、これを証明するために行った日米共同の臨床試験の結果について紹介させて頂きます。


提供 : 株式会社スズケン


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