 長期投薬の現状と課題
福井大学医学部附属病院 薬剤部
後藤 伸之
長期投薬制限の廃止と現状
平成14年の診療報酬改定により薬剤の長期投薬制限が原則廃止され、予見できる必要期間に従ったものであればよくなりました。但し、厚生労働省の定める一定の薬剤については、例外として投薬期間に上限が設けられています。
長期投薬制限が原則廃止された後の長期投薬の現状は、井原辰雄先生を主任研究者とする2002年度厚生労働科学研究「診療報酬改定の影響分析」により調査が行われています。調査期間は2002年10月〜12月。回答施設は1281施設です。平均投薬期間が15日以上の医療機関が6割近くにのぼり、慢性疾患に限ってみてみると平均投薬期間が15日以上の施設が79.4%を占め、投薬期間の制限の原則廃止が投薬期間の長期化に大きく影響していることが明らかになっています。地域別では北海道、東北、関東で長期投薬の割合が高く、病床規模別では規模が大きくなるほど、その割合が高くなる傾向がみられていると報告されています。

2002年3月に診療所開業医122人を対象に行われた長期投薬への考え方についてのアンケート調査でも、7割以上の医師が「長期投薬を増やす予定」であると回答していました。その理由としては『患者の要望があるから』が73%と最も多く、患者が長期投薬を強く望んでいる現状が浮き彫りになる結果でした。
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