→ 番組表はこちら
→ ストリーミング版はこちら
<スズケンDIアワー> 平成15年12月4日放送内容より スズケン

病態シリーズ(23)
胆管消失症候群


東京慈恵会医科大学 内科教授
戸田 剛太郎

胆管消失症候群の病態

 胆管消失症候群(vanishing bile duct syndrome)は小葉間胆管または近位隔壁胆管がさまざまな原因によって破壊され、その結果、消失、減少し、慢性の胆汁うっ滞を来す病態です。胆汁は肝細胞により生成され、毛細胆管、Hering管、細胆管、小葉間胆管、隔壁胆管、肝内の大胆管を経て、肝外の肝管、総胆管を通って十二指腸に注いでいます。

(資料1)

 胆管消失症候群はこの胆汁流出経路の小葉間胆管、近位隔壁胆管がさまざまな原因で破壊され、消失して起きてくる病態です。顕微鏡レベルの肝内小胆管の破壊で、胆管細胞は肝細胞と違って再生能力は乏しく、胆管は一度破壊されますと、再生されることはなく、消失することになります。進行性の場合、ある時点で進行を止めないと、小葉間胆管、隔壁胆管の消失は高度になり、最終的には肝硬変となり、肝移植しか治療手段はなくなります。症状は慢性の胆汁うっ滞症で、黄疸、皮膚掻痒感、検査の上ではアルカリホスファターゼ・γGTP、総コレステロールの著しい上昇がみられます。ERCP、MRCPなど胆管胆道系の画像診断では肝内胆管の拡張はみられず、この点で閉塞性黄疸と区別することが出来ます。病理組織の上では門脈域の胆管の減少、消失で細胞浸潤はみられない場合もあります。


提供 : 株式会社スズケン


1 2 3 次項へ