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<スズケンDIアワー> 平成15年12月18日放送内容より スズケン

JAPIC医薬品類似名称検索システムのパイロットスタディについて


東京医科歯科大学歯学部付属病院 薬剤部長
土屋 文人

医薬品の名称の類似性と医療事故

 医薬品関連の医療事故が多発していますが、その中で医薬品の名称の類似性に起因している事例が少なからず存在していることはご承知のとおりです。事故やヒヤリハット事例においてその要因として医薬品の名称の類似性が関係しているのではないかということは数年前から指摘されていましたが、実際に事故が発生している類似名称の組み合わせとしては、タキソールとタキソテール、アルマールとアマリール、ウテメリンとメテナリンといったものが報告されています。また、オーダリングシステムでは、医薬品の選択が医薬品の名称の先頭からの文字数に関連して行われることが多いため、これに起因した医薬品選択エラーによる事故も発生しています。

(資料1:「医薬品が関連して発生した医療事故の例」)

 実際に事故が発生した事例としては、サクシンとサクシゾン、アルサルミンとアルケラン、エンピナースとエンドキサン、ワーファリンとワイパックスなどがあります。また、事故には至っていないものの、各施設で発生している入力エラーとして報告されているのが、ノルバスクとノルバデックスです。
 入力文字数と商標との関係については、3年前の医療情報学連合大会で私が発表したものが我が国で最初の報告であり、これは、その当時の我が国で販売されている医療用医薬品の内服薬の商標を対象とした入力文字数と特定できる商標の数との関係を示したデータです。

(資料2:「入力ミスを回避するための方式の検討」)

 2文字入力によって1つの商標になるのは全体の11%であるのに対し、3文字入力では全体の67%が、4文字入力では全体の91%が1つに特定されるということを、その大会で報告を致しました。その後、金沢大学病院や東京大学病院において、それぞれの採用薬について同様の検討を行った報告がなされていますが、数値的には大差ありませんでした。そこでこれらの結果を反映させ、国立大学医学部附属病院長会議では3文字入力方式の義務化を提言していますし、日本医療機能評価機構においても、患者安全のための体制の中で、3文字入力の実施が評価項目として採用されています。


提供 : 株式会社スズケン


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