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<スズケンDIアワー> 平成15年12月18日放送内容より スズケン

JAPIC医薬品類似名称検索システムのパイロットスタディについて


東京医科歯科大学歯学部付属病院 薬剤部長
土屋 文人

薬価収載時における名称類似の回避

 また、先日の薬事・食品衛生審議会薬事分科会では、新規に製造承認の申請が出された降圧剤「オルメス」について、この販売名が消炎鎮痛剤である「オルヂス」に類似していることから、名称変更を条件に製造承認をするということになり、結果的に販売名が「オルメテック」となったということが報道されています。また、12月12日付で官報告示された「ビ・シフロール錠」は、10月16日の製造承認時の名称である「シフロール」が、抗悪性腫瘍剤の「ミフロール」と類似していることから、薬価収載前に「ビ・シフロール」と名称変更されました。これを受けて、日本病院薬剤師会では会員に対して、オーダリングシステムにおける医薬品検索のための略称を「ビシフ」というように必ず「ビ」から始まるようにという注意を発するとともに、手書きの場合でも「シフロール」と書かれた場合には必ず疑義照会をして「ビ・シフロール」と記載するように徹底を図ること、及び「ミフロール」については薬歴に従った調剤をするようにという通知を会員宛に出しています。

医薬品名称類似検索システムのパイロットスタディ

 このように、名称類似を回避するための努力は確実に進展しており、これは画期的なことと言えます。本日のテーマである医薬品名称類似検索システムのパイロットスタディは、このような環境の中で、2003年11月から開始されました。ここで使用されているのは、今から2年ほど前に私どもが開発した類似名称を客観的に評価して示すことを可能にしたシステムでありまして、今回はそのシステムを基本として、客観的指標の値が高かったものについて、類似性回避を検討するためにはどのような付加情報が必要なのかということを検討するために、日本医薬情報センター(JAPIC)において試験運用が開始されたものであります。先日開催されましたパイロットスタディの説明会には100社を超える参加があり、システムの解説や付加する情報についての説明がなされ、活発な質疑応答が交わされました。このシステムは新薬申請前に類似性のある名称を排除するために作成されたもので、このパイロットスタディを通じて、将来的には各製薬会社が、事前に類似性をチェックし、類似していない名称で申請を行えるようにするためのものであります。12月4日にワシントンで開催されましたFDAの主催する会議では、米国においてもこのようなシステム開発が行われているものの、実用化にはまだそれ相応の時間が必要ということで、名称類似に関するガイドラインの発表はなされませんでした。我が国では本格的な実用化を目指してパイロットスタディが開始されたということは、この面では日本がアメリカを一歩リードしているということを示しているわけであります。
 どうかこのパイロットスタディを通じて、このシステムの運用方法が検討され、こういった検討の後に本格的な運用を始めるための検討がさらに重ねられ、また一方でそのシステムの実験を行いながらその本格的な運用に向けて名称類似問題が一日も早く解決するということの助けになればと望むものであります。


提供 : 株式会社スズケン


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