 ホスフルコナゾール
慶應義塾大学病院 病院長
相川 直樹
新しい深在性真菌症治療剤の登場
本日は、本年(2004年)1月15日に発売になりました新しい抗真菌剤である深在性真菌症治療剤ホスフルコナゾール注射液についてお話しいたします。
ホスフルコナゾールは、フルコナゾールのリン酸化プロドラッグです。静脈注射され生体内に入りますとアルカリ・フォスファターゼで加水分解され、フルコナゾールとして活性を発揮いたします。従いまして、ホスフルコナゾールの抗菌特性はフルコナゾールと同一であります。
アゾール系抗真菌剤であるフルコナゾールは、カンジダ属を中心とした各種病原真菌に優れた抗真菌活性を示し、組織移行性も良いことから、真菌血症、呼吸器真菌症、真菌髄膜炎、消化管真菌症および尿路真菌症に優れた効果を示すことが知られています。アムホテリシンBと比べて副作用が少ないことから、効果と安全性の両面でバランスのとれた薬剤としてその発売以来、全世界で五千万人以上の患者さんに処方され、日本でも1989年の発売以来、多くの深在性真菌症患者さんに第一選択薬として用いられてきました。その間、様々な臨床経験に基づく検討や各種臨床的研究がなされ、フルコナゾールの特性をさらに生かす投与方法として重症の真菌感染症に対する高用量投与(400〜800mg/日)や、投与早期から高い血中濃度を得ることを目的とした負荷投与法(いわゆるローディング・ドーズ)が国内外のガイドラインにより推奨されています。また、深在性真菌症患者には、重篤な基礎疾患のため、体液量の調節が必要とされるケースも少なくありません。そのため輸液量が制限されることもあり、現在のフルコナゾール注射液より液量負荷の少ない製剤が望まれていました。
以上を踏まえて、フルコナゾール注射液の製剤的改良が進められ、ホスフルコナゾール注射液が開発されました。
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