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<スズケンDIアワー> 平成16年1月29日放送内容より スズケン

新薬の薬価算定根拠について(5)


日本大学薬学部 薬事管理学 教授
白神 誠

icon類似薬効方式薬価算定薬:『ビ・シフロール錠』

 前回の放送以降薬価基準に収載された新医薬品の薬価算定根拠について説明します。
 初めは、ビ・シフロール錠です。成分名は塩酸プラミペキソール水和物で、日本ベーリンガーインゲルハイムの製品です。

(資料1:「ビ・シフロール錠の算定概略」)

 塩酸プラミペキソール水和物は非麦角系構造を有するドパミンD2受容体作動薬で、パーキンソン病を適用とします。効能効果、薬理作用、組成・構造等が同一の同じ日本ベーリンガーインゲルハイムの塩酸タリペキソールの製剤であるドミン錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。しかしその価格が外国平均価格の4分の3を下回ったため、引上げが行われました。なお、対照としたドミン錠には1錠中0.4mgを含有する製剤しかありませんが、ビ・シフロール錠には、0.125mgと0.5mgとをそれぞれ含有する二つの規格があるため、汎用される規格である0.5mg製剤の価格をドミン錠を基に算定した後、0.125mg製剤の価格については、同じ効能を持つメシル酸ペルゴリドの製剤ペルマックス錠の規格間比を用いて算定されました。

iconケトライド系抗菌薬「ケテック錠」の薬価算定

 次は、ケテック錠です。成分名はテリスロマイシンで、アベンティス・ファーマの製品です。

(資料2:「ケテック錠の算定概略」)

 テリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質の化学構造を変換して合成された抗菌薬で、細菌のリボソームの50Sサブユニットのドメイン2及び5に作用して、蛋白合成酵素を阻害するもので、作用機序の違いからマクロライド系ではなくケトライド系抗菌薬と区分されています。適用としてはブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、レジオネラ属などの細菌による扁桃炎、咽頭炎、肺炎等の感染症が認められています。効能効果、薬理作用、組成・化学構造、投与形態等が類似しているマクロライド系抗菌剤アジスロマイシン水和物の製剤であるファイザーのジスロマック錠を比較対照薬に類似薬効比較方式(I)で算定されました。さらに臨床試験においてペニシリン及びマクロライド耐性の肺炎球菌に対して有効性が示されるなど、比較対照薬に比し高い有効性を有すると判断されたこと、市中呼吸器感染症に対するエンプリックセラピーとしても有効であり、他剤無効例にも有効性を示し、適応菌種として初めてレジオネラ属の細菌感染症が認められていることなど、対象となる治療方法、疾病構造の改善につながることから、有用性加算(I)が認められています。なお、本剤が1日1回5日間投与するという用法であるのに対し、ジスロマック錠は、1日1回3日間を1週間ごとに投与するという用法であるため、1クールあたりの薬価を同じにするという方法がとられています。


提供 : 株式会社スズケン


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