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<スズケンDIアワー> 平成16年2月5日放送内容より スズケン

日本臨床薬理学会
治験支援の最近の動向


昭和大学第二薬理学 教授
安原 一

icon治験実施基盤の整備とネットワーク化

 このような状況下、厚生労働省は医薬品産業ビジョンを策定し、その中で全国治験活性化3ヵ年計画を実施しております。これはいわゆる「大規模治験ネットワーク」であります。

(資料2:「大規模治験ネットワーク」)

 今後3年間で、日本医師会を事務局とし、疾患群ごとに各医学会を中心に、ナショナルセンター、特定機能病院等の医療機関とネットワークを形成し、治験実施基盤を整備するというものであります。
 欧米で標準的な医薬品を医師主導で実施、また企業主導の治験のうち必要性の高いものを実施することにより、医療上必須又は画期的な医薬品を国民に速やかに提供するとしております。
 また治験施設支援機関でありますSMOについては、SMOの業務範囲に関するガイドラインが策定され、薬事法改正にもとづき昨年から施行されております。一方、医薬品機構が治験推進ネットワークモデル事業を打ち出し、全国で2ヵ所、福岡と浜松の治験ネットワークがモデルに指定され活動しております。
 この治験推進ネットワーク事業は、今まで大学病院や総合病院を中心として行われていた治験を地域の中核的医療機関と診療所等を結んで共同で実施するという目的で開始されております。これにより治験の推進に貢献し、しいては医療の質の向上が期待でき、多くの人に治験の意義を啓発でき、治験参加の機会をより多く提供できるとしています。さらに、地域の病病連携あるいは病診連携の推進が期待されております。

iconCRCの養成と学会認定CRC制度

 ここで日本臨床薬理学会のCRCの養成、認定への取り組みについてお話します。CRCの養成は1998年5月、日本看護協会がはじめ、その後厚生労働省の委託事業として、日本薬剤師研修センターが実施し、さらに文部科学省と日本病院薬剤師会もそれぞれの養成プログラムにより行っております。2002年度より、日本臨床衛生検査技師会もCRC養成研修を開始しています。CRC養成研修(1998〜2003年)を受けた者は、日本看護協会で643名、厚生労働省で429名、文部科学省で826名、日本病院薬剤師会で1040名、全体で看護師1150名、薬剤師1750名、その他38名の計2938名であります。
 内容としては、日本看護協会では10日間の講義、それに加えてオプショナルな実習が5日間設けられています。厚生労働省では5年以上の勤務歴をもつ薬剤師と看護師がペアで10日間の講義と3週間の実習が設けられています。文部科学省では国公私立大学病院の勤務者で4日間の講義とグループワークが1日設けられています。日本病院薬剤師会は、日本病院薬剤師会の会員である病院薬剤師が対象で、3日間の講義とフォローアップ研修が2日間設けられています。これら4つのCRC養成研修の講義内容は、共通しているものとして、臨床試験計画法、GCP、治験の管理、モニタリング、監査の実際、治験薬概要書の読み方、治験実施計画書の読み方、CRCの役割と業務、さらにはインフォームド・コンセントの実際として、実習、模擬患者による実践が行われています。
 日本臨床薬理学会では1991年に認定医制度を、引き続いて1995年に認定薬剤師制度を発足させ、現在は認定試験を実施しています。学会認定CRC制度は、この2つの認定制度の延長線上にあり、すでにCRCのための研修ガイドラインと研修ガイドラインに沿ってCRCテキストブックを編纂しております。

(資料3:「治験コーディネーターとしてのCRCの役割」)

 治験を支援して治験コーディネーターとして働くときには4つの役割が重要であります。すなわち治験依頼者、治験担当医師、および被験者として参加する創薬ボランティアの3者からなる臨床試験の基本三角形の間に入って、創薬ボランティアのケア、治験担当医師の支援、治験依頼者への対応、そして全体のコーディネーションがあります。この4つの役割を果たすためにはCRCの役割に関する十分な知識、それを実現するための技術、および人間を対象にした研究の遂行に必要な優しさ、柔軟さと科学を実践する際の厳密さを大切にする態度が求められています。
 現在、第1回過渡的措置により、27名の認定CRCが誕生しました。今後2回目の過渡的措置によるCRCの認定を行った後、今年の11月には認定CRCの第1回認定試験を行うことになっております。


提供 : 株式会社スズケン


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