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<スズケンDIアワー> 平成16年2月12日放送内容より スズケン

話題の新薬2003(4)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 今回は2003年度の第4回目の「話題の新薬」として、現在話題になっている新薬の情報をご紹介致します。

icon乳癌治療薬「カペシタビン」

 まず、最初は乳癌治療薬:カペシタビンについてお話します。この薬は、フルオロシチジンの誘導体で、消化管から吸収され、肝臓を経て腫瘍組織内でチミジンホスフォリラーゼによって選択的に5-FUへと変換される経口の抗悪性腫瘍剤であり、腸管での障害を軽減した点が特徴であります。1998年4月に米国、2002年3月にEUで承認され、現在すでに世界70カ国で承認・販売されております。

(資料1:「カペシタビンの構造式」)

 効能・効果は、手術不能または再発生の乳癌であります。体表面積にあわせて投与量を定め、1日2回、朝食後と夕食後30分以内に、3週間経口投与し、その後1週間休薬いたします。これを1クールとして、投与を繰り返します。禁忌は、本薬に過敏症の人、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中および投与中止後1週間以内の人、重篤な腎障害のある人、妊婦等であります。なお腎臓や肝臓に障害のある人、冠動脈疾患の既往のある人、骨髄抑制のある人、消化性潰瘍、高齢者等には、慎重に投与する必要がありますし、副作用は92%に見られ、その主なものは手足症候群、赤血球・白血球・リンパ球の減少等であります。なお、重大な副作用として、脱水症状、手足症候群、心障害、肝障害、腎障害、骨髄抑制、口内炎等があります。

icon抗腫瘍剤「ホリナートカルシウム」

 同じく抗腫瘍剤のホリナートカルシウムについてお話します。従来、この薬は葉酸代謝拮抗剤メトトレキサートの解毒剤として臨床使用されてまいりましたが、1980年代にホリナートがbiochemical modulationによって5-FUの抗腫瘍効果を増強させることが報告され、両者の静脈注射の併用療法が消化器癌を中心に臨床応用される様になりました。2003年7月に結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果の増強を目的として本薬が承認されました。

(資料2:「ホリナートカルシウムの構造式」)

 通常、ホリナートとして75mgを1日3回にわけ、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与いたします。禁忌は重篤な骨髄抑制のある人、重篤な感染症の合併、下痢、本薬に対する過敏症、妊婦、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中または中止後7日以内の人であります。副作用は96%に見られ、主なものとして下痢、食欲不振、倦怠感、赤血球・白血球・血小板の減少、またALTの上昇などが見られます 。なお、重大な副作用として、骨髄抑制、溶血性貧血等の血液障害、劇症肝炎、肝硬変、脱水症状、重篤な精神神経障害、狭心症、心筋梗塞、急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性肺炎、ショック等があります。


提供 : 株式会社スズケン


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