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<スズケンDIアワー> 平成16年2月12日放送内容より スズケン

話題の新薬2003(4)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

icon高脂血症用剤「ピタバスタチン・カルシウム」

 続きまして、高脂血症用剤としてピタバスタチン・カルシウムについてお話いたします。この薬は、国産初の全合成HMG-CoA還元酵素阻害剤であります。非臨床試験で本薬の吸収率は高く、作用部位である肝臓に選択的に分布して、肝臓のHMG-CoA還元酵素を強力且つ持続的に阻害し、さらに肝臓からのVLDL-TGの分泌低下作用も示します。臨床では優れた血清LDLコレステロール及び総コレステロールの低下作用を示すとともに、HDLコレステロール増加作用も示します。

(資料5:「ピタバスタチン・カルシウムの構造式」)

 効能・効果は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であり、LDLコレステロールを40%、総コレステロールを28%低下させ、HDLコレステロールは11%増加させるという臨床報告があります。1〜2mgを1日1回夕食後に経口投与いたします。最大投与量は1日4mgまでであります。なお、基本的注意として食事療法、運動療法を基本とし、定期的に肝機能検査、血中脂質検査を行う必要があります。なお肝障害、腎障害、甲状腺機能低下症、筋ジストロフィー等の患者さんには慎重に投与する必要があります。併用禁忌薬としてはシクロスポリン。また、併用注意薬としてはフィブラート系薬剤、ニコチン酸、コレスチラミン等があります。副作用は22%に見られ、腹痛、発疹、倦怠感、痺れ、掻痒等であり、γGTP、CPK、ALT、AST等の上昇が見られることがあります。重大な副作用としては横紋筋融解症、ミオパシー等があります。

icon抗アトピー性皮膚炎薬「タクロリムス水和物」

 最後に、抗アトピー性皮膚炎の薬:タクロリムス水和物についてお話します。この薬はマクロライド系構造を有する化合物で、T細胞の活性化を選択的に阻害して、強力な免疫抑制作用を示します。すでに1999年6月、成人のアトピー性皮膚炎に対して承認され、2003年の7月、小児用の承認を得ております。

(資料6:「タクロリムス水和物の構造式」)

 用法・用量は通常、小児には1日1〜2回、適量を患部に塗布します。1回当たりの塗布量は5gまでであります。なお、腎障害、高K血症、高度の肝障害、全身性紅皮症等の患者さんには慎重に投与する必要があり、副作用は62%に見られ、皮膚刺激感、皮膚感染症等であります。

 以上 2003年度の第4回目の「話題の新薬」として、現在話題になっている新薬の情報をご紹介致しました。


提供 : 株式会社スズケン


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