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<スズケンDIアワー> 平成16年2月19日放送内容より スズケン

HIV-1感染症治療
アタザナビル


東京医科大学病院 臨床検査医学 主任教授
福武 勝幸

icon「HIV感染症の治療」

 今日はHIV感染症の新しい治療薬であります、アタザナビルについてお話いたします。ヒト免疫不全ウイルスすなわちHIVの感染により引き起こされる免疫不全状態に伴う、日和見感染症や日和見腫瘍が発生した状態をAIDS、後天性免疫不全症候群と呼ぶことは既にご承知のことと思います。AIDSという名称は1982年から米国のCDCにより使われ始めましたが、原因因子としてHIVが発見されたのは翌年の1983年のことでした。病気の発見から約20年が過ぎ、現在、世界で暮らしているHIV感染者数はUNAIDSによって4千万人とも推定されています。

iconHAART療法の登場

 HIV感染症の治療薬としては1987年に核酸誘導体のレトロビルが発売されましたが、この1剤のみによる治療では、期待に反して十分な治療効果が得られませんでしたし、その後のしばらくの間は、核酸誘導体が順次開発されたにも関わらず治療には困難を極めました。1996年になり新しいクラスの治療薬であるHIVプロテアーゼ阻害薬と核酸誘導体による多剤併用療法が始まり、これをHAARTと呼びますが、その後は治療の様相が一変することになりました。米国で核酸誘導体2剤にプロテアーゼ阻害薬を併用した、いわゆるHAART療法が始まると、それまで増加の一途を辿っていたAIDSによる死亡者数が減少に転じ、その後の死亡数の減少は目を見張るものでした。
 抗HIV薬の種類も年々増加して、現在、日本では16種類の薬剤が販売されています。HAARTとしての薬剤の組み合わせも、副作用が少なく、飲みやすい薬剤へと変化してきました。

(資料3:「HIVの増殖過程と治療薬」)


提供 : 株式会社スズケン


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