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<スズケンDIアワー> 平成16年2月26日放送内容より スズケン

アンジオテンシンII受容体拮抗薬
オルメサルタン


福岡大学 名誉教授
荒川 規矩男

iconはじめに

 高血圧の治療薬は、今日6種類が一般に使われております。今日は6つの中の一つであるアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の中、新薬のオルメサルタンについてお話いたします。話は3つのPartに分けてお話したいと思います。まず(1)このARBという薬が高血圧治療薬の中の頂点にランキングされてきているということ、(2)ARBが、どのような経緯で開発されてきたかということ、(3)最後にオルメサルタンの各論にお話したいと思います。

iconI ARBはなぜ降圧薬の頂点か

 まず、ARBは何故、降圧薬の頂点に達したかというお話であります。その理由もまた3つくらい挙げることができると思います。まず第一にARBは生まれつきサラブレット的な降圧薬であるという点であります。と申し上げますのは、殆どすべての他の降圧薬は手探りで経験的に、他の病気の治療薬から転用されてまいりました。即ち利尿薬やβ-BlockerやCa拮抗薬などは、何れも本来は他の病気、例えば浮腫とか虚血性心臓病の薬として開発されたものでありましたが、偶然に副作用として降圧作用が見つかって、その副作用を転じて降圧薬として使われるようになりました。
 それに比べますと、レニン・アンジオテンシン系の、このレニンとは19世紀末に血圧計の発見とほぼ同時に発見され、その後約1世紀にわたり、高血圧研究の中心的なテーマであって、従ってそのレニン・アンジオテンシン系のBlockerは必然的に降圧薬として使えるはずである、という期待のもとに長年研究され開発されたものであり、レニン・アンジオテンシン系のBlockerは数ある降圧薬の中でも“生粋のサラブレット”的な降圧薬と位置づけられると思います。
 第二番目の理由は、このARBというのは、先発のACE阻害薬を含めまして、単なる降圧を超えた作用において優れているという点であります。先に開発されましたACE阻害薬はさすがにサラブレットらしく、従来の他の降圧薬に比して、単なる降圧作用を超えて、臓器保護作用に優れているということが幾多の臨床と基礎の研究によって、証明されてまいりました。即ち心、腎等、標的臓器の保護作用やインスリン感受性の改善などであります。ARBもACE阻害薬に勝るとも劣らない臓器保護作用が次々に報告されてまいりました。
 三番目の理由として、ARBには副作用がほとんどなくて、しかもなおかつ降圧作用がACE阻害薬に勝るという点であります。ACE阻害薬の場合はご存知のように、唯一の泣き所として空咳という思わざる副作用がありました。しかし、ARBにはそれがありません。これは、プラヂキニンに関係していないからです。一方、主作用におきましては、ACE阻害薬に勝るような降圧効果を示しております。どうしてかと申しますと、ACE阻害薬より強い理由というのは、ARBはACE以外の酵素、例えばキマーゼなどによって作られる全てのアンジオテンシンをも含めてブロックするからであります。


提供 : 株式会社スズケン


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