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<スズケンDIアワー> 平成16年3月11日放送内容より スズケン

速効型インスリン分泌促進薬
ミチグリニド


国際医療福祉大学臨床試験研究分野 教授
田中 俊一

icon速効型インスリン分泌促進薬の動向

 今日は速効型インスリン分泌促進薬についてのお話をさせていただきたいと思います。近年、フェニルアラニン誘導体系のナテグリニドを中心として、速効型のインスリン分泌促進薬が使われるようになってまいりました。この経緯について、まずお話したいと思います。もともと2型糖尿病の治療薬として、かなり古くから知られているものにスルホニル尿素系の薬剤(SU剤)があります。これは効き目、いわゆる薬の強さとしては、十二分なものでして、それに優る薬はございません。ただし、SU剤の欠点として 通常、受容体に接続しますと、その刺激時間が長いという特徴がございます。従いまして、朝1錠服用しても昼食前とか、あるいは夕食の前であるとかに食前の低血糖を起こすというような欠点がございました。そこで開発されてきたのが、このフェニルアラニン系のナテグリニドでございます。

icon新しいフェニルアラニン誘導体系製剤の特徴

 本年(2004年)1月29日、2番目のフェニルアラニン誘導体(ナテグリニド)系製剤(ベンジルコハク酸誘導体)のミチグリニドが承認されましたけれども、この二剤の特徴は今まであったSU剤の欠点を補完するような形のものでございます。
 今までは通常の新薬の開発ですと新しい薬ほど効き目が強いという要素を持ちますけれども、フェニルアラニン誘導体系又はベンジルコハク酸誘導体(ミチグリニド)に関しましては、より刺激時間が短いということが特性です。従いまして、効果の強さを期待して移行するものではございません。ナテグリニドの場合、やはり食前、食直前に服用することが原則ですけれども、お服用になられますと30分程度でピークをむかえます。つまり、食後30分ぐらいでインスリンの分泌刺激を起こして、次の食前の頃にはもう作用がなくなってしまうという特徴がございます。従いまして、ナテグリニド、あとで出てきますミチグリニドともに、食前服用、3回服用ということが原則になります。

(資料2:「2型糖尿病歴と膵β細胞機能低下」)

 「短時間の刺激」の良さというのは低血糖を起こさないという要素がまず一点、もう一点別にインスリンを分泌する膵β細胞の疲弊を抑制しうる可能性があるということが考えられます。すなわち、通常強い系統のSU剤を使いますと一次無効、二次無効というケースをたどってインスリンの分泌が無くなってしまい最終的にインスリンの併用ないしインスリン療法への移行ということが考えられます。

(資料3:「ミチグリニド・グリベンクラミドの反復投与時の血糖上昇抑制作用」)

 最初から血糖が高い時点で通常のSU剤をお使いになられてしまいますと、軽症な方ではさきほど申し上げた低血糖のリスクがあるということと同時に、必要以上にインスリンを分泌してしまいます。そのために、より早い期間で、すい臓のβ細胞が疲弊してインスリン分泌能が低下してしまうという可能性があります。ですから、よりインスリン導入までの期間を長くするためにもフェニルアラニン誘導体系ベンジルコハク酸誘導体(ミチグリニド)の役割というのが期待できるわけでございます。ナテグリニドにつきましては、周知のように30mg、90mgの2種類の剤型というように非常に変わった特徴がございます。通常ですと30mg、60mgという形ですが、こちらは使えるドウズが30mg3回からはじまりまして、最高のドウズが90mgプラス30mgの1回120mgという量まで使えますので、こういった剤型扱いになったものと推測しています。


提供 : 株式会社スズケン


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