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<スズケンDIアワー> 平成16年4月1日放送内容より スズケン

話題の新薬2003(5)


獨協医科大学 名誉学長
原田 尚

 今日は2003年度第5回の「話題の新薬」として、現在注目されている新薬の情報をご紹介いたします。

iconパーキンソン病治療薬『塩酸プラミペキソール水和物』

 まず、最初はパーキンソン病の治療薬、塩酸プラミペキソール水和物についてお話します。
 この薬は1985年ドイツで開発された、非麦角系構造を有する選択的の抗ドパミンD2受容体作動薬であります。パーキンソン病の各種症状への有効性が確認され、1997年に米国、次いでEUで承認され、現在世界45カ国で承認・販売されております。

(資料1:「塩酸プラミペキソール水和物の構造式」)

 効能・効果は、パーキンソン病の日常生活動作、運動能力への有効性が示されております。用法・用量は通常、1日1錠(0.25mg)から始め、2週目に1日量を0.5mgとし、以後経過をみながら、1週間毎に0.5mgずつ増量し、維持量を定めます。幻覚、妄想などの精神症状またはその既往のある人、重篤な心・腎疾患、低血圧症、高齢者などには慎重に投与する必要があります。また、重要な基本的注意として、患者に突発的睡眠及び傾眠についてよく説明すること。投与初期にめまい、立ちくらみ、ふらつき等のみられることがあること。急激な減量や中止で、悪性症候群の起こることがあるので漸減すること、等が必要となってまいります。併用注意薬としては、シメチジン、塩酸アマンダシン、鎮静剤、アルコール、ドパミン拮抗剤、抗パーキンソン病薬等があります。副作用は72%に見られ、主なものとしてジスキネジア、傾眠、嘔気、消化不良、幻覚等があります。なお、重大な副作用としては突発性の傾眠、幻覚、悪性症候群等が見られることがあります。

icon糖尿病治療薬『インスリングラルギン(遺伝子組み換え)』

 続きまして、糖尿病治療薬のインスリングラルギンについてお話いたします。
 この薬は遺伝子組み換えにより生合成された効果持続型の溶解インスリンアナログ製剤であります。

(資料2:「インスリングラルギンの構造式」)

 ヒトインスリンのA鎖21位のアスパラギンをグリシンに置換し、B鎖C末端に2個のアルギニン残基を付加して、等電点がpH5.5からpH6.7に移行することによって、皮下投与後に生理的pHで等電点沈殿を起こし、徐々に溶解、吸収されるようになります。そのため、1日1回の皮下投与で、ほぼ1日中、安定した血糖降下作用が認められます。効能・効果は、インスリン療法が適応となる糖尿病であります。用法・用量は、通常成人では初期は1日1回14〜20単位をペン型の注入器で皮下注射いたします。注射時間は朝食前または就寝前のいずれかでもよしとされております。禁忌は低血糖症状を呈する患者、本薬に過敏症の人であります。なお、併用薬注意薬としては、血糖降下作用を増強する、あるいは減弱する薬があります。副作用は11%に見られ、主なものは糖尿病網膜症の顕在化または増悪、重篤な低血圧等であります。重大な副作用として、低血糖、ショック、アナフィラキシー様症状があります。


提供 : 株式会社スズケン


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