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<スズケンDIアワー> 平成16年4月8日放送内容より スズケン

肝動注用シスプラチン


鹿児島大学病院 放射線部 助教授
井上 裕喜

icon肝細胞癌治療の現況と肝動注療法

 本日は、このほど肝細胞癌の治療薬として承認された、動注用シスプラチンについて、お話いたします。
 肝細胞癌は、原発性肝癌の約95%を占め、肺癌、胃癌、大腸癌に次いで本邦における癌死亡率の第4位となっています。肝細胞癌に対する治療としては、肝切除のほか、エタノール注入療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓術(TAE)などが、中心的な治療法となっています。しかし、癌の進展度や肝機能により、これらの治療法が適応とならない症例も多くみられます。また、肝細胞癌のほとんどは、B型・C型肝炎や肝硬変を背景としたウイルス性発癌のため、これらの治療後も再発を繰り返す症例が多いようです。肝切除、局所療法、TAEが適応とならない、またはこれらの治療法のみではコントロール困難な症例に対して、抗癌剤による化学療法が、単独または他の治療との併用で、行われています。肝細胞癌に対する化学療法では、静脈内投与による全身投与は効果が乏しく、腫瘍内の薬剤濃度を高めるために、腫瘍を栄養する動脈に抗癌剤を直接注入する肝動脈内注入療法(動注療法)が、一般的に行われています。

(資料2:「肝細胞に対する肝動注療法」)

 肝細胞癌に対する動注療法では、腫瘍近位の肝動脈までカテーテルを選択的に挿入した上で、薬剤を投与します。従って、全身投与に比べ局所の薬剤濃度が上昇し、より高い効果が期待できます。現在、肝細胞癌に対しては、主に5-FUやアンスラサイクリン系抗癌剤が用いられています。しかし、確実な効果を示す薬剤は少ないため、標準的な治療法が確立されておらず、有効性の高い抗癌剤の開発が望まれていました。


提供 : 株式会社スズケン


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