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<スズケンDIアワー> 平成16年4月15日放送内容より スズケン

ファブリー病治療薬
アガルシダーゼベータ


東京都臨床医学総合研究所 臨床遺伝学研究部門
桜庭 均

 2004年1月29日付で、ファブリー病の治療薬アガルシダーゼベータが厚生労働省から承認を受けました。本日は、このアガルシダーゼベータに関して紹介したいと思います。

iconファブリー病とは

 アガルシダーゼベータは、ファブリー病の患者に対して効果があり、通常患者の体重1kg当たり1mgの量を2週間に1回、点滴で静脈内投与されます。
 ファブリー病については、おそらくあまり耳慣れない疾患名と思われますので、まず、この病気の大要に関して御説明します。この病気は、体内のα-ガラクトシダーゼと呼ばれる酵素の働きが遺伝的に低下することによって起こります。α-ガラクトシダーゼは、リソソームにあって、セラミドトリヘキソシドと呼ばれる物質の加水分解にあたっています。セラミドトリヘキソシドは、別名グロボトリアオシルセラミドとも呼ばれる糖脂質で、セラミドと呼ばれる脂質に3つの糖からなる糖鎖が付いています。この物質は、不用になると、リソソームに運ばれます。そして、まずα-ガラクトシダーゼが働いて、一番末端にα結合で付いているガラクトース分子が加水分解されます。しかし、α-ガラクトシダーゼの活性が低下すると、本来は分解されるはずのセラミドトリヘキソシドが分解されずに、細胞内に進行性に蓄積します。この結果、いろいろな臨床症状を示すのがファブリー病です。この病気の遺伝型式はX染色体性です。その発生頻度は4万人に1人といわれていますが、最近の報告を総合すると、実際にはもう少し頻度が高いのではないかと思われます。
 ファブリー病で、セラミドトリヘキソシドが蓄積する場所は、主に自律神経系などの神経系組織、汗腺、角膜、皮膚、腎臓、心臓、血管などの組織です。従って、ファブリー病では、これらの臓器や組織の障害が現れます。


提供 : 株式会社スズケン


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